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#ネタバレ 映画「私をくいとめて」

「私をくいとめて」
2020年作品
のんさんの一人芝居、みたいな
2020/12/24 10:04 by さくらんぼ(修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

これは評価の難しい作品だと思いました。

私ものんさんのファンの一人ですが、できるだけ正直なレビューをしたいと思います。

ときどき「街中でぶつぶつ独り言を言いながら歩いている人」がいますが、単純に見れば、そんな人を描いた作品になります。

でも、それは見せかけで、きっと若い女性の心のひだを描いているのだと思います。でも私は若い女性から一番遠い存在であるおじさんなので、そのせいか、よく分からないのです。

しかも、過去の映画経験からも、若い女性の心情がよく分からなかった人間なのです。

( 以下、映画「ライムライト」のネタバレです。 )

『 映画にはほとんど登場しなかった記憶だが、バレリーナの姉は娼婦をしてまで彼女を金銭的に支えていたようだ。彼女の足が動かなくなった理由の裏には、その事を知ったための精神的なショックがあったのだと思う。

一方、老芸人はそんなバレリーナをはげまし立ち直らせる。しかし、その後、感激した彼女から求愛されても、彼女の幸せを考え、身を引くのである。

この姉と老芸人のエピソードに共通するキーワードは「犠牲」だと思う。しかし、同じ犠牲でも一方は彼女を病気にし、一方は彼女を癒した。いったい何が違うのだろうか。

彼女は同性、同世代で身内の姉に対してはその心情をよく理解できたが、異性、別世代、他人である老芸人の心情には理解が及ばなかった。その無理解が、皮肉にも彼女を救ったのではないだろか。 』

( 映画「ライムライト」追記 2003/8/19 21:48 byさくらんぼ より抜粋 )

世の中には、このような事もあるのかもしれません。

全編のんさんのアップが多用された一人芝居に近い作品でした。

のんさんの演技力の限界が試されるような。

もしこれが無名の新人だったら、「すごい新人登場」と話題になったでしょうが、すでに天才と称えられるのんさんです。観客はプラスαのドラマ性まで求めるので、そこが少々不足していたのは残念かもしれません。

★★★☆

追記Ⅱ ( エビ天の秘密 ) 
2020/12/27 10:17 by さくらんぼ

映画の冒頭、ヒロイン・黒田みつ子(のんさん)が「エビの天ぷらの食品サンプル」を作っているシーンが出てきます。

彼女はそれをいたく気に入り、部屋でも飾っていました。

「あのエビ天は、映画とどういう関係があるのか」。

ここ数日、私はそればかり考えていましたが、もう一つの疑念との関係で分かったような気がしました。

もう一つの疑念とは、黒田みつ子の脳内に棲息する相談役“A“(男性)なのです。

後半に一回だけ“A“が登場します。

彼女が海岸にいると海パン一丁の“A“が登場します。彼は「赤と白のシマシマ模様の海パン」を履いており、ひとしきり黒田みつ子と話をしたのち、海へ走って行くのです。

あの「赤と白のシマシマ模様」は「ゆでたエビ」の記号でしょう。

「ふわふわとした女性の黒田みつ子は、エビ天の衣」というわけです。

すると、黒田みつ子がエビ天を偏愛する理由が分かります。

自分自身の象徴だからです。

追記Ⅲ ( LGBTのお話なのか ) 
2020/12/27 10:29 by さくらんぼ

「 30代に突入し、ひとりの生活にも慣れてきた黒田みつ子。彼女の脳内には相談役“A“が存在し、迷った時はいつもAに相談していた。そんなひとりの生活を満喫していたみつ子だったが、ある日年下の営業マン・多田くんに恋をし、戸惑いながらも一歩を踏み出す。 」

( ぴあ映画生活 『私をくいとめて』あらすじ より )

ふわふわとした衣をまとった、筋肉質のスレンダーなエビ。

これは女と男の記号でしょう。

ヒロイン・黒田みつ子にはLGBTの気配がします。

しかし、自分では気づいていない、あるいは認めようとしないのです。

だから、男に抱きしめられて、パニックになります。

これが表層の物語なのかもしれません

少し、映画「藍色夏恋〈あいいろなつこい〉」を思い出します。

追記Ⅳ 2022.4.25 ( お借りした画像は )

キーワード「エビフライ」でご縁がありました。エビ天とは衣の質が違いそうですが、おいしそうです。少し大きめの画像でしたので自動的に枠でカットされました。その後、手動で少々上下しました。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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