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#ネタバレ 映画「坊っちゃん」

「坊っちゃん」
1966年作品
定年は友情を再確認する機会
2018/2/20 10:48 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

初めて「坊っちゃん」を読んだ感想は、「あの彼も、最後は一人になってしまったのか」というものでした。

学校を卒業し、四国の中学校の教師になった坊っちゃんは、ご承知のとおり、赤シャツやらマドンナなどの、賑やかな先輩や上司、そして沢山のわんぱく坊主やバッタにかこまれて、目まぐるしくドラマチックな日常を送ります。

しかし、退職後は下女だった清(きよ)が待っていただけでした。

そして、その清も、間もなく亡くなるのです。

当時在職中で、正直に申せば、うっとうしい位の人間関係の中にいた私も、「やがてこの世界も消えてしまうのだな」、と思ったものです。

そして、何年か前にリタイアし、やはりその通りになりました。

別に意識して人間関係の断捨離などしなくても、自然とそうなるのです。

送別会などで、公私ともに平均数回ぐらいは友人知人と歓談する機会はあるでしょうが、1年もするとそれも落ち着き、以後は、ほとんどお誘いも無くなります。

さらに、社会参加をしていなければ、新規の友人知人を作る機会も激減します。独りで出来る趣味は一杯あっても、だんだんと歓談する友だちが貴重品になってきます。

だから、定年になったからと言って、慌てて断捨離することはありません。いったん壊れてしまった人間関係は容易に回復できません。私たちが行動すべきことは、むしろその逆で、茶飲み友だちになってくれそうな人を確保しておくことなのです。

会えなければ、だんだんと疎遠になって行きますから、後のことはあまり心配いりません。何年もかけて、阿吽の呼吸で、落ち着くところに落ちつくのが自然というものです。

TVドラマなどでは何本も観ましたが、この映画はまだ観ていません。でも偶然、先ほどラジオから「上を向いて歩こう 」が流れてきましたので、これも何かの御縁かと思い、ここに記させていただきました。

追記 ( 「人の断捨離」をしたい方 ) 
2018/2/20 15:13 by さくらんぼ

もし定年時の「人の断捨離」をしたい方は…

切り捨てる候補の中に、すでに退職後の人がいる場合、彼(彼女)は「自分の断捨離では貴方を残した」ことに気づかなくてはいけません。たぶん「一生お付き合いしてもよい人」と認めて。

そんな彼(彼女)は、「今までは遠慮してたけれど、やっと貴方にも暇が出来たから、これまで以上に遊べる」と胸躍らせているかもしれないのです。

だから、そのときは、誠意と礼を尽くしてお別れしてください。

追記Ⅱ ( 「物の断捨離」 ) 
2018/2/20 15:57 by さくらんぼ

私がリタイア時に行った断捨離は「物のみ」です。

毎日午前中にコツコツ行いました。

午後は運動を兼ねて街歩きし、喫茶店で読書します。そうやって毎年春の3か月、それを3年間、つまり計9か月間かけて、部屋の隅々まで掃除をし、売れるものは売り、売れないものは、分別して廃棄しました。

しかし、断捨離で手放し、後悔したものがありました。

CD、DVD、LD、LP、カセットテープ、本、オーディオ機器、つまり、ほぼすべて。

あれから数年たち、また部屋の中が物置状態になってきましたから、その内また断捨離が必要でしょう…。

ちなみに年賀状は出しています。若い頃から何十年も交換している男女の友人知人もいますが、職場も違ったり、リタイアしたのに、まだ送っていただけるというのは、単なる「義理」では出来ない事だと思っています。

それは過分なほど有難いことだと思っていますが、だんだん無理もきかなくなってきましたので、近年中に年賀状はやめさせていただこうかと、そんなことを考えています。でも、やめたらやめたで、年末年始はきっと寂しいだろうなとも。

追記Ⅲ ( 小説「坊っちゃん」 ) 
2018/2/24 22:22 by さくらんぼ

小説「坊っちゃん」では、夏目漱石の内面が、「坊っちゃん」と「うらなり」に分裂して登場している。

TVドラマ「東京ラブストーリー」では、その「坊っちゃん」がヒロイン・「赤名 リカ」、「うらなり」が主人公・「永尾 完治」に置き換わっている。

つまり、TVドラマ「東京ラブストーリー」の向こうに、ぼんやり小説「坊っちゃん」の気配を感じます。現時点ではオマージュかどうかは分かりません。

追記Ⅳ ( 小説「坊っちゃん」② ) 
2018/2/25 18:12 by さくらんぼ

>TVドラマ「東京ラブストーリー」では、その「坊っちゃん」がヒロイン・「赤名 リカ」、「うらなり」が主人公・「永尾 完治」に置き換わっている。

そして二人の名前は、ドラマの終盤、松山の中学校の柱に、赤名 リカの手で、仲良く並んで刻まれることになります。

その他に、「山嵐」がロングヘアの「三上 健一」、「マドンナ」が三角関係の「関口 さとみ」でしょうか。

そして「坊っちゃん」では、男が東京から松山の中学校へ行き、ドラマが始まりますが、

「東京ラブストーリー」では、逆に松山から東京に来てドラマが始まります。そこにロス帰りの帰国子女が(江戸っ子気質ならぬ、ロスっ子気質)みたいなものを注入するのです。

「坊っちゃん」みたいに。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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