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#ネタバレ 映画「ベスト・キッド」〈1984〉

「ベスト・キッド」
1984年作品
「 生兵法は大怪我のもと 」
2020/6/28 9:18 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

封切りで観に行った青春時代の一本です。

良い作品であり、当然レビューも書いたつもりでした。(もう、あまり復元できませんが)細部の情景を言語化した記憶が残っているのに、不思議なこともあるものです。

ところで、この作品で特に印象深く記憶に残っているのは師匠の日本人・ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタさん)の言葉です。

いじめられっ子の主人公・高校生のダニエル(ラルフ・マッチオさん)は、強くなりたいと思い、独学でカラテを練習していました。

そんなある日、いじめにあっていたダニエルを助けてくれたカラテの達人ミヤギに感動し、弟子入りを希望するのです。

その時、「 道を歩くとき、右端OK、左端もOK、でも、真ん中を歩けば(バシッという擬音)クルマに轢かれてしまう。

カラテも同じ。やるOK、やらないOK、中途半端が一番いけない 」と言ったのです(表現は正確ではありません)。

これは、いわゆる「生兵法は大怪我のもと」を、一つの覚悟として、ダニエルに問うたものだと思います。

ダニエルはそれを受け入れ弟子になります。

その他にも、特に古いタイプの日本人の心に沁みるエピソードが満載の佳作でした。リメイクされたのも分かります。

★★★★☆

追記 ( 「 生兵法は大怪我のもと 」 ) 
2020/6/28 9:44 by さくらんぼ

> …「 道を歩くとき、右端OK、左端もOK、でも、真ん中を歩けば(バシッという擬音)クルマに轢かれてしまう。

>カラテも同じ。やるOK、やらないOK、中途半端が一番いけない 」と言ったのです(表現は正確ではありません)。
(本文より)

最近は「敵基地攻撃能力」が話題に上りますが、先日のTVで、元自衛隊の偉い方がこんな趣旨の話をしていました。

『 ①ミサイルを発射しようとしている基地を攻撃するには、発射の気配を探知しなければならないので、いわゆるスパイ・偵察活動が必要であるが、我が国にそこまでの組織・能力はない。

②仮にミサイルを発射しようとしているA基地を発見し攻撃できたとしても、B,C,D…などの各基地からの反撃が予想されるので、大規模な戦闘になることが予想される。つまり「虎の尾を踏む」ことになりかねない。

議論することは良いが、日本に①②の覚悟はあるのか 』(表現は正確ではありません)。

「虎の尾を踏む」というのは「真珠湾奇襲攻撃」に相当することだと思います。その後、日本がどうなったのか…。

そこまで言われると、私も躊躇しますし、おそらく今の多くの日本人には困難な決断だと思います。「敵基地攻撃能力」は日本人にとって「保有できても使えない能力」なのかもしれません。核保有国にとっての核兵器のように。

追記Ⅱ ( バランス感覚 ) 
2020/6/28 14:24 by さくらんぼ

お寺などに出家し、厳しい修行の後に悟りを開いた人の中には、卒業して在家になり、例えばサラリーマンなって、市井の市民として、ひっそり暮らす人もいるそうです。

「係にいる〇〇さん。とても人物が出来た御人だなぁと思っていたら、その正体は偉いお坊さんだった」という事もあるわけです。

なぜ在家になるのかというと、悟りを開くと「日常生活そのものが修行だった」という事に気づくからだそうです。

ひるがえって映画「ベスト・キッド」の師匠ミヤギ。

彼は目立たぬ修理屋ですが、その振る舞いからは、その他大勢の人とは一線を画す空気が感じられました。彼も又、仏教ならぬ、空手の修行で悟りを開いた者の一人だったのかもしれません。

彼は弟子のダニエルに「バランス」を教えます。

「黄金の中庸」という言葉があるように、幸せに生きていくためにはバランス感覚が必要だからでしょう。勝ちにしか価値を認めぬライバルとは対称的です。

ミヤギ流のカラテの修行が、塀のペンキ塗りだったり、日常生活とリンクしているのはそのためだと思います。そして、その精神はリメイク版にも引き継がれているようです。

そして、映画「ベスト・キッド」(1984年)のクライマックスには一本足打法のような秘儀が出てきますが、あれこそバランス感覚が結晶したものだったのだと思います。

追記Ⅲ ( ミヤギの「手あて」 ) 
2020/9/11 10:04 by さくらんぼ

クライマックス、ダニエルが打撲でダウンして負けそうになった時、ダニエルの願いでミヤギは「手あて」をしました。

手のひらを何秒間か患部に押し当てたのです。

そうしたらすぐに痛みが消えました。

私は専門家ではありませんが、あれは「気功」の一種だと思います。

私にも軽い打撲やケガなら日常的にあります。

何十年も生きていると、経験から「このくらい打撲(ケガ)なら完治まで〇日ぐらいだな」みたいに予想できるものですが、すぐに気功の「手あて」を数分間しておくと、たいてい「翌日には痛みが消えており、そう言えば昨日足をぶつけて痛かったはずだが、左右どっちの足だっけ?」みたいなことが多くなったのです。感覚的には完治までの時間が半分ぐらいになるのかもしれません。

ですから、映画はデフォルメしてあるのかもしれませんが、一日単位の時間で考えると、あれは本当のことだと思っています。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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