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#ネタバレ 映画「エジソンズ・ゲーム」

「エジソンズ・ゲーム」
2019年作品
Win-Win
2020/6/23 9:15 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

この映画が、どのくらいエジソンを正確に描いているのかは知りませんが(「正確な伝記映画なのか」という意味)、「半沢直樹」のような企業同士の戦争映画だとは思いました。しかし、「半沢直樹」ほど勧善懲悪・スッキリ映画でもありません。

私の印象では、主題は「エジソン」でもなければ「半沢直樹」でもないので、そのあたりを期待していくと、映画の意図が分からず、置いてきぼりを食らう恐れがあります。

何と表現して良いのか、その困惑も味わいの内と申しましょうか…。

★★★☆

追記 ( Win-Win ) 
2020/6/23 9:27 by さくらんぼ

この映画「エジソンズ・ゲーム」には「直流」と「交流」が象徴的に出てきます。

「直流」とは一方的な勝利、

「交流」とはWin-Win(ドロー)の意味だと思います。

だから、「交流」と仲良しになるこの映画は、「Win-Win(ドロー)」礼賛映画なのでしょう。

そういう意味で、この映画「エジソンズ・ゲーム」は、映画「完全なるチェックメイト」や、映画「空母いぶき」と共通するものを描いていたのだと思います。

追記Ⅱ ( 「交流」の波形 ) 
2020/6/23 9:32 by さくらんぼ

チラシの写真、中央の稲妻のような光を挟み、カリスマ実業家と天才発明家の顔写真がありますが、あの写真を横にすれば、「交流」の波形をモチーフと構図だと分かります。

追記Ⅲ ( 映画「完全なるチェックメイト」 ) 
2020/6/23 9:38 by さくらんぼ

のネタバレです。

『 昔のTVに、夏木陽介さんの主演で「青春とはなんだ」がありました。これは学園ドラマの走りで、不良少年たちをラグビーで更生させる感動作でした。

私はそれが大好きで、よく観ていました。不良少年たちは優等生たちよりもある意味“純”であり、試合に負けるとよく泣いていたように思います。でも当時の私は、あれをドラマの演出みたいな目で観ていました。

ところが現代でも日曜日にスポーツセンターへ行くと、ときどき試合があり、善男善女が(不良ではありませんよ)、廊下の隅っこや、体育館の裏手で泣いているのを見ることがあります。

そんな側には必ずと言ってよいほど慰める友の姿もありました。みんな本当に一所懸命にやっているのですね。あの涙を見ると、がんばった経験のない自分が恥ずかしくなり、残念で、ちょっぴり寂しく、私は足早に立ち去るのでした。

ところで、映画「カーズ」では「試合に負けて、勝負に勝つ」みたいな世界を謳っていました。優勝者はもちろん素晴らしいですが、場合によっては優勝しなくても称賛に値するプレイがあるのを教えられた映画です。

ならば映画「完全なるチェックメイト」は「ドローという人生の知恵」を教えてくれたのかもしれませんね。ラストで主人公のフィッシャーが勝ったとき、対戦相手のスパスキーが感服した様子で、スマイルを持ってスタンディングオベーションをしました。あそこに感動が集約されていたように思います。

スパスキーのしたことは、ゆとりある大人の対応です。彼は試合に負けはしましたが、人によってはスパスキーの人柄に感服しファンになったかもしれません。試合に負けはしましたが、傷跡を最小化することに成功したのです。

そんなスパスキーに比べ、主人公:フィッシャーは勝つことだけに特化した生き方をしていました。だから負けたらもちろんのこと、勝っても痛々しい。試合に限らず人生全般も痛々しい。

これはチェスの映画では無かったのかもしれません。チェスに限らず、どんな舞台ででも、勝ち方、負け方は、美学のひとつですね。もっと言うと処世訓であり政治なのかもしれません。

そう言えば、今日観た寅さん映画でも、武田鉄矢さんふんする振られ青年に対して、似た者どうしの寅さんは振られ方の美学を語っていました。 』

( 映画「完全なるチェックメイト」 2016/1/2 9:25byさくらんぼ 「ドローという人生の知恵」の転記 )

追記Ⅳ (Win-Win②) 
2020/6/23 9:47 by さくらんぼ

「 同一周波数同時送受信方式を用いた無線システムの開発 Development of Full Duplex Radio System 」

追記Ⅴ ( 劇場で聴く「ろう管蓄音機」 )
2020/7/14 9:02 by さくらんぼ

エンドロールに針音とともに流れる心地よい音楽は、エジソン映画なら「ろう管蓄音機」だと思われます。

ハイファイだ、ハイレゾだと、音にこだわる現代の私たちでさえ、感動させてしまう音が流れていました。

その上で申し上げれば、「ろう管蓄音機」と比べれば、SPレコードの密度感と輝きのある音は、一皮むけた、ほんとうの美音だったのです。

現代のオーディオマニアさえ、ときに郷愁を感じる。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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