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#ネタバレ 映画「スペース・カウボーイ」

「スペース・カウボーイ」
2000年作品

100点 2002/9/4 18:22 by 未登録ユーザ さくらんぼ


( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

映画「初恋のきた道」を持ち出すまでも無く、老人の哀しみの一つは「自分の若い頃の記憶が有ること」である。

ならば、夢の一つは若さを取り戻すこととなる。

二度と青春の日の苦しみを味わいたくないと思っている人も、青年の若さは羨ましいのだ。

しかし、タイムマシンにでも乗らない限り実年齢を取り戻す事は出来ない。

若い頃のように、もう一度体力を取り戻したい、異性にモテタイ(意外と大きい)、仕事で成功したい、尊敬されたいなど、彼らはいつも心の底では夢見ているのである。

そして、このまま静かに朽ちていくのではなく、最後にもう一花差咲かせたいと思っているのだ。その夢を優しくかなえてあげる映画がこの作品である。

そういえば、晩年の枯れた境地になった黒澤映画にも、老人の気持ちを描いた作品があったような気がする。

だからラストシーンは美しく、安らかで、厳粛なのである。

私はこの映画を、心の中では膝を正して鑑賞せずにはいられない。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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