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#ネタバレ 映画「ALONE/アローン」

「ALONE/アローン」
2016年作品
戦場に比べれば
2018/6/20 18:04 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

まるで(戦場版)映画「愛と青春の旅だち」のようです。

主人公は、最前線で、プロポーズの決断をするのですから。

そういう意味で、男子必見。

そう言えば砂漠って、枯山水に似てなくもありません。

お寺ではないですが、そこで思いつく事こそ真実、かも。

★★★★☆

追記 ( 女を騙してはいけない ) 
2018/6/21 15:14 by さくらんぼ

映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」には、長期間かけてやっと敵を仕留めるチャンスにめぐりあえたのに、それで沢山の米国民が救われるはずなのに、偶然現れた一人の異国少女の命を救うために、作戦を中止してもよいのか、という葛藤がありました。

この映画「ALONE/アローン」も、いきなり狙撃シーンから始まります。

狙撃手は結婚に悩む主人公・マイク。

そして、スコープの先で展開されているのは、

皮肉にも敵の結婚式でした。

しかし、敵が乗っているクルマの色が微妙に違いますし、敵には結婚するような息子がいたという情報もありません。だから人違いの可能性も否定できない。

そんな状況でも、「犠牲者が出ても良いから、すぐ撃て」との命令が。

しかし、どうしても引き金を引けないマイク。

もし間違いなら、最良の日が、最悪の日になってしまうし、マイクには何かトラウマもある。

悩んだあげく、彼は「嘘も方便」で司令部をうまく騙し、「チャンスを逃した」と言って狙撃を止めました。

唖然とする助手の青年。

実は、このエピソードが後を引くのです。

司令部は、マイクが嘘と独断で作戦を止めたことに、薄々気づいていたようです。

マイクのしたことは命令違反でしょう。

そのマイクが、撤収中に、地雷を踏んでしまったのです。

いや、軍隊においては、命令違反自体が、まさしく地雷を踏む行為だったのかもしれません。

マイクは無線で救出を頼みますが、どことなく司令部は冷ややかなのです。ここが一番恐ろしいエピソード。

マイクは丁寧な言葉づかいで、しかし必死に懇願します。

司令部は言葉こそ「救出しない」とは言いませんが、「地雷?、それがどうした」的な感情が伝わって来ます。

だから、はらわたをえぐられる様な、どうしようもない憤り、そして絶望と恐怖がこみあげてくるのです。

追記Ⅱ ( 戦場に比べれば ) 
2018/6/21 15:21 by さくらんぼ

映画を最後まで観た方は分かると思いますが、チラシに載っている「マイクが片膝をついた姿勢」は、求愛の姿勢ですね。愛する女性の前で、紳士がひざまずいている様子です。

司令部とは女の記号だったのかもしれません。

つまりマイクは、「52時間もひざまずいてプロポーズをした」のです。

追記Ⅲ ( 密会の偽装工作か ) 
2018/6/22 8:31 by さくらんぼ

あれは、はたして本物の結婚式だったのでしょうか。

何もない「荒野のまん中」に、クルマが走ってきて、そこで合流した者たちが、ライフルを持った男たちが警備する中、唐突に結婚式を挙げる。

冷静に考えれば、結婚式は、どこかの家で行うものではないでしょうか。

もし彼らに、「荒野のまん中で結婚式を行う風習」があるのなら、司令部は当然それを知っているはずですし。

「クルマの色も微妙に違う」「子どもはいないはず」という違和感も含め、これは「密会の偽装工作」の可能性があります。

結婚式に見せかければ、相手は戸惑い、すぐには攻撃しないだろうという。

追記Ⅳ ( 人生もギャンブルだ ) 
2018/6/22 15:03 by さくらんぼ

映画「カサブランカ」が、戦意高揚映画だったのなら、この映画「ALONE/アローン」は、婚意高揚映画でしょうか。

デートとは「相手を深く知るためにする行為」ですが、100%理解できるまで待っていては、いったい、いつになったら結婚できるのか。

ですから、直感も使い、どこかの時点で決断しなければなりません。

この映画「ALONE/アローン」は、テロリストの結婚式や、地雷のエピソードなどで、それを語っていたのかもしれません。

映画によると、地雷も古くなると不発弾が増えるのだそうです。

さらに、地元住民が自主的に撤去をしている場合もあり、撤去した穴には空き缶を埋めていました。

チラシの言葉、

「 一歩踏み出して死ぬか このまま死ぬかー 」。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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