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#ネタバレ 映画「思い出のマーニー」

「思い出のマーニー」
2014年作品
根っこは大切なところ
2015/10/28 6:46 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

12歳の杏奈は、田舎に来て、湿地帯の対岸に立つ、古い洋館に惹かれるものを感じました。

でも、そこへ行こうとすると、潮干狩りができそうなほどだったのに、急に潮が満ちてくることもあったのです。

あの湿地帯のシーンを観て、私の内面を描かれたのではないのかと感じられるぐらいに驚きました。私も昔はときどき、同じではないにせよ、「似たような潮の夢」を見ていたからです。

私のことは映画「スティーブ・ジョブズ」にも少し書きましたが、アップルのスティーブ・ジョブズさんも、映画「思い出のマーニー」も、そして私も、幼いころに実親や養親などと、色々あったことがトラウマとなって尾を引いていたのです。状況はそれぞれ違うにせよ。

少し私の話を続けます。

思い起こせば、私もずっと、心に暗雲がたれこめていました。ずっとですから、中年になるまで、その自覚さえなかったぐらいです。でも、よく晴れた五月の朝、あまりにも外界と乖離した気持ちに、突然「これ、おかしい」と気がついて、自己分析をしました。そうしたら暗雲の正体は、どこからか来た「寂しさ、怒り、悲しみ」が団子になったものだと分かったのです。

おそらく、それは「寂しさ=にゅうようじのころ、ひとりぼっちで、さみしかった」、「怒り=ないても、りょうしんは、あそんでくれない」、「悲しみ=だから、あきらめて、なきねいりした」記憶なのでしょう。幼き日、親の愛を求めていた気持ちだったのです。そして、その代償行動の一つが、やがて始めたオーディオ道楽だったのかもしれません。

私が「似たような潮の夢」を見ていたのは、私も杏奈と同じく、出生前後の遠い記憶の中に答えが、救いが、潜んでいるのではないかと、すがる気持ちで探していたから、なのかもしれません。その通り道には、此岸(しがん)と彼岸の間に川があるといわれるがごとくに、あの様な湿地が存在するのかもしれません。

この映画「思い出のマーニー」は、容易に人様には話せず、ましてや簡単には理解などしてもらえそうもない、デリケートな部分を慰めてくれる、私にとって特別な映画の一本になりそうです。ただ、現実世界では、この映画のように、それでハッピーエンドとは行きにくいでしょう。それが子供向けのアニメの限界なのかもしれません。

★★★★★

追記 ( 葉っぱを動かしてほしい ) 
2015/10/28 6:57 by さくらんぼ

この映画「思い出のマーニー」には、夏の緑が豊富に出てきます。でも、葉っぱがまったくと言ってよいほどに、揺らめいてはいないのですね。

毎日のように公園の緑を愛でている私にとって、フリーズした葉っぱは異常に感じられます。もちろん手書きアニメの限界でしょうし、従来から、そういう作風をとっていたのでしょう。

でも、手書きが難しいのならば、これからは、いっそのこと樹々だけでもCGにしてみてはどうでしょうか。ピクサーなどのCGアニメに出てくる、動物の体毛の一本一本が揺らめいている技術を、樹々の揺らめきにも応用するのです。

そうやってで来た、リメイクした、映画「想い出のアーニー」が観てみたいです。

追記Ⅱ ( 忘れるために過去へ旅をした ) 
2015/10/29 6:53 by さくらんぼ

人は「過去の事は忘れなさい」と言うかもしれません。でも映画の主人公もそうですが、「忘れるために過去へ旅をした」のだと思います。

映画「エイリアン2」でもふれましたし、催眠療法と言うものもあるようですが、過去のトラウマに苦しめられている人は、やみくもに逃げるだけでなく、いったん、その想い出と対峙することによって、初めてトラウマから解放れるようなのです。苦しみの原因が不明だった場合は、その原因を突き止めることで解放されるようなのです(本当はメンタルの専門家に診てもらうことが必要でしょう)。

若いころの私には、うつ病ではないかと思うぐらいに苦しい日々がありました。

そのトラウマの半分は両親とのもの、残りは会社でのものだと思います。

在職中は、トラウマになった係に、もう一度手を上げ、自ら人事異動で入っていき、苦しい想い出の上書き更新に成功しました(人様には勧めません)。

退職後は、仕事の心労が無くなった分だけ、より両親とのトラウマが鮮明に見えてきたのです。鮮明に見えたことで、それも癒されていきました。

これでピーク時に比べ80~90%は楽になったような気がします。残りは、気功の「スワイショウ」をすることで、日々に溜まった邪気を捨てます。気功の直後は95%以上は楽になります。

そうなると公園の樹々が、葉っぱの一枚一枚、足元の小さな草たちが、美しいと感じられるようになります。自然と対話できるようになるのです。

私には、映画「思い出のマーニー」の様には、過去に正解はありませんでしたが、過去を知り、今を努力することで、癒されました。

(「スワイショウ」は、それ単体でするのではなく、他の気功と組み合わせると効果的です。試される場合には、良い本で学ぶか、良い先生の指導を受けてください。)



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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