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映像クリエイターがLeica Q2 monochromを使う理由

こんにちは。株式会社SAKAMOTOgraph.で映像制作を担当している青山です。


さて、突然ですがこの映像の前半部分はモノクロで構成されています。
もちろん撮影カメラはLeica Q2 monochrom
ちなみに後半はブラックマジックデザイン社のBMPCC6KProで撮影しました。

もちろん前後半で写りを揃えるためには、同じカメラ、同じレンズで撮影した方が良いに越したことはありません。
実際BMPCC6Kの素材からも、素晴らしいモノクロの映像は出来るはずです。

では、なぜ前半だけLeica Q2 monochromを使ったのかを解説します。

Q2mを使う理由

・重さ
まずBMPCC6Kpro(1238g)とレンズ(SIGMA18-35mm : 810g)の総重量は2kgを余裕で超えます。
対してQ2mの重さは単品(レンズ込み)で718g
三脚+バックパックひとつで電車移動する私に撮っては大きな違いです(笑)

・描写
BMPCC6Kproのセンサーサイズはsuper35(写真機で言うAPS-C)
Leica Q2mのセンサーはフルフレーム
大きさにして約1.5倍Q2mの方が大きく、
しかもレンズはライカのsummilux F1.7です。

Leica summilux f1.7/28mm ASPH.

・クロップ耐性
Q2mの解像度は有効画素数は4730万画素
4Kの解像度は3840 × 2160なので約830万画素です。
Q2は28mmですが、35mm 50mm 75mmのクロップモードを搭載しています。クロップモードそれぞれの画素数は、
35mm 3000万画素
50mm 1500万画素
75mm 700万画素
50mmまでは4Kに必要な解像度の範囲で撮影することができます!
もちろんセンサーもクロップされるので、映像のメインで使う画を撮るには苦しい所もあります。
ただ、私の様に一瞬インサートで使うくらいの映像であれば全く問題なく使えると思います。

50mmクロップ マクロモードにて撮影

どんなカメラでも彩度を0にすればモノクロになるわけではない

彩度を無くせば、「モノクロ表現」になるわけではありません。
実際、彩度を0にすることで色の無い状態=グレースケールにはなります。

写真にも言えることですが、カラーとモノクロでは露出感・コントラストの表現が異なります。
カラーでは良い感じに見えていても、そのままモノクロにすると露出が飛び気味に見えたり、テクスチュアが甘い描写に見えたりするものです。

Q2mは、表現としてモノクロームの質感を最初から出してくれるので、本当に好きなカメラです!
少し話がそれましたが、要するに素材の時点でモノクロとしての仕上がりが高いので、後半のカラーグレーディングに比べると前半はほとんど何もいじっていません。
撮影時点で最終ビジョンがイメージできていれば素材はほぼそのまま使えますし、編集時間も大幅に短縮できました。

撮影で気をつけること

・フォーカス
Q2mには外部出力端子が一切ありません。
防塵防滴性能を保つためにSD、バッテリー以外の外部端子を廃止したそうです。
つまり外部記録も然り、HDMI出力から外部モニターでフォーカスを確認することはできません。
全てカメラ内で行う必要があります。
Q2mのピーキングはかなり見やすいですが、確実にピントを合わせたいときは、画面拡大を使ってしっかり合わせてから録画を開始しています。

他にも、フィルター運用、ホワイトバランス、グレイン、高感度耐性など、
言いたいことは山ほどありますが、それについてはまた次回、写真機としてQ2mの記事を書きたいと思います。

最後に、Leica Q2 monochromで撮ったスナップムービーも是非ご覧下さい!


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