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皆様、こんにちは。会計士の青山です。今回はキャッシュフローの中でかなり重要な考え方である運転資金について解説してみました。

運転資金とは
 運転資金とは企業が工場等を稼働(運転)させたときに生じる項目で、売上取引の取引発生日と入金日との日数の差異がもたらす「売掛金」、同じく仕入取引の取引発生日と支払日との日数の差異がもたらす「買掛金」、在庫を仕入れてから販売するまでの日数の差異がもたらす「在庫」からなり、「売掛金+在庫-買掛金」の額とされます。

 運転資金が難しいのは次の2点です。
(1)利益が増えるとお金が足りなくなる!!
売上が増え、利益が増えているなかで売掛金の回収が遅れると運転資金が増加すること。要は利益が増えると運転資金が増加し、キャッシュフローが減少することです。
 そのため、旧来型のマネジメントにみられた売上・利益偏重でいくと、キャッシュフローが減少するおそれがあるということです。

(2)お金が足りないのは利益とは関係ない
 運転資金がB/S項目だけから構成されますので、P/L上の利益がいくら上がろうが、運転資金には直接は影響しません。そのため、B/Sマネジメントをしっかり行い、売掛金や在庫の圧縮に努めないと、利益が出ていれば出ているほど、キャッシュフローは足りなくなる可能性があります。
 ちなみにその状態が極端なレベルまでいったのが「黒字倒産」と呼ばれるものです。

 ちなみにamazonの運転資金はマイナスです。また、運転資金のことをCCC(Cash Conversion Cycle)と呼ばれることがあります。

 今回は、運転資金について解説してみましたので、ご覧頂ければと思います。



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