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値引きは命取りになるという理由

こんにちは。会計士の青山です

値引きの影響

 日本の事業者は業績が良くなくなってくるとともすれば値引きに走りやすくなります。。値引きに走る気持ちはわかります。1000円の商品を20%値引いて売れれば800円のお金が入りますから、お金が欲しいと心の底から叫んでいる人は値引いてでも販売するしようとするでしょう。

 しかし、値引きができるのは大企業だけであり、中小企業以下の規模の企業はなるべくなら止めた方がいいという話を今週のセミナーで話しました。

 それを具体的に表としてみました。価格を10%値引きして、数量を10%上げたときの影響を規模が小さい企業と規模が比較的大きな企業で、CVP分析で現したものです。

 販売単価と販売数量の比、利益率の大小を考えずに、この表から汎用的な原則まで断言できるレベルでまではいっていないですが、とりあえず規模の小さい企業では値引きのマイナス効果が大きいようだということは言えます。

値引の効果

値引きのマイナス効果を戻すには
 さきほどの表を使って10%値引きしたら元のCF(キャッシュフロー)に戻すにはどれくらい販売数量を増やせば良いかシミュレーションしてみました。答えは20%増でした。
 そのため、10%値引きをしたら10%販売量が増えればペイすると考えるのは間違えということがわかります。
 つまり、販売量が10%増加しても原材料費が10%増加しますから、10%値引き&10%販売量増加でペイしないわけです。

 また、顧客からみれば10%の値引きはあまりインパクトはないです。そのインパクトのない10%値下げで20%販売量が増加するかという販売者側ではなく、購入者側の視点からも考えてみる必要があります。

 会社が値引きを検討している場合、こんなシミュレーションをしてその効果をシミュレーションしてみて、値引きを実施するべきかどうか、検討してみるといいでしょうね。

値引き後

値引きと販売数量の分析
 値引きを考えていて、下のような表もExcelデータテーブルを使い、作成してみました。これは販売単価を下げていった場合に元の限界利益を稼ぎだすための販売数量を表した表です。
 緑のセルが値引き前の限界利益4320万円を超える販売単価と販売数量の組み合わせを示しています。
 経営者はこうしたシミュレーション表を見ながら冷静に値引きの効果を考える必要があると思います。

テーブル


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