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あおヤギさんからの手紙#21 民主主義への挑戦!?予備費の積み増し、埋め戻し、使途拡大は歴史に汚点を残す。

こんにちは。衆議院議員青柳陽一郎です。
今週もあおヤギさんからのお手紙を届けます!

さて、今週は国会のタイトなスケジュールの合間を縫って、私の友人が企画プロデュースに関わっている「廃材でアートを作り続ける美術家・アーティスト、長坂真護』」さんの展覧会に行ってきました。

長坂真護さんは、世界最大級の電子機器の墓場と言われるガーナのスラム街の電子廃棄物を使ってアートを制作し、その売り上げで、ガーナにガスマスクを届けるという活動を続けている新進気鋭、今大注目の美術家です。

その作品一つひとつから発せられる強力なメッセージは見るものをくぎ付けにしています。私も強烈なインパクトを感じ、また同時にガーナはじめ世界の貧困国の状況に思いをはせる、想像力が刺激され、社会課題の解決に繋がっていくという期待や希望も湧いてくる、そんな展示会でした。
これからも長坂真護の活動に注目していきたいと思います。



令和4年度補正予算が審議入り。前代未聞の予備費埋め戻し。
国会は6月25日、令和4年度補正予算の審議に入りました。

総額2.7兆円。

遅い、小さい、中身がない、一言でいえば歴史に禍根を残す残念な補正予算と言えます。

それはなぜか!予備費を積み増し、埋め戻し、使途拡大する、予備費のための補正予算に他ならないからです。

①予備費は国会の審議を通さずに政府の都合で使えるいわば禁じ手で、災害など不測の事態が発生した場合に使用するもの通常は年5000億程度です。
しかし令和二年からその額が5兆円、10兆円と急激に拡大し、その使途も広げ、国会監視から逃れ、政権も財布代わりにしている。財政規律の緩みにつながる危険なやり方で前例がありません。

②今回の補正予算総額2.7兆円のうち、予備費の埋め戻しが1.5兆円でこれは燃油高騰対策に充てる1.2兆円より多い。予備費は政策でも何でもありません。今後の備えが主たる内容の補正予算は、もちろん前例はありません。

③令和三年度末に予備費を1.2兆円使用、令和四年度当初に予備費を1.5兆円支出し、その埋め戻しに補正予算を組む。年度末と年度当初に予備費を1兆円以上使用する。こんな前例はありません。

④埋め戻すだけに止まらず、「コロナ・原油・物価高騰対策」を創設し、使途を無尽蔵に拡大。これでは何でもあり。当然前例はありません。

⑤そもそも予備費の使用は、国会開会中は行わないのが原則。閣議決定無視の前例もありません。

令和二年度や三年度の予備費の支出も問題です。海外では公開されているワクチン支出の詳細も公開しない、アベノマスクも役に立たないどころか維持管理費まで多額の支出がなされ、まさに私たちの税金がドブに捨てられたとの批判が高まりました。
更に、令和三年度末の今年三月、高齢者に5000円を予備費から支出しようとして、批判が高まり、撤回するという事態も発生しました。
ここまでくると怒りを通り越し、あきれてしまいます。

しかしこれはすべて私たちの貴重な税金なのです。
財政民主主義、議会制民主主義の根幹を揺るがす予備費の積み増し、埋め戻し、使途拡大は、歴史に禍根と汚点を残す大きな問題、言い換えれば民主主義への挑戦です。

私たちは満腔の怒りをもってこのいい加減な政権、やりたい放題の予算に対峙していかなければなりません。

それは本来、与野党を超えた私たち議員、立法府が問われている問題なのです。
立憲民主党も残念ながら国民の期待を集めているとは言えない現状ですが、こうした政権にしっかり対立軸をもって、国会や地元、運動を通じて選択肢を示していきたいと思います。

以上、青柳陽一郎でした。