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ISSUEからはじめよ

マッキンゼーの先輩である安宅和人さんがこのタイトルの本を出したのはもう10年以上も前になるようです。(2012年12月に第1版が出ています。)

最近では累計発行部数が50万部を超えたというオビをつけて書店で平積みで置いているのをよく見かけます。時代を超えて残っていく本となったようですね。すごいことです。

この本が出たとき、すぐに書店で手に取ってパラパラと眺めてみたのですが、その時は結局購入しませんでした。書かれていることは、マッキンゼーのベーシックともいう内容。それこそ、安宅さんのようなマネジャーにしごかれながら仕込まれた内容と思ったからです。少なくとも書かれていることで全く聞いたこともない、という目新しいものはほとんどありません。

目次を見てみると
第1章 イシュードリブン
第2章 仮説ドリブン①
第3章 仮説ドリブン②
第4章 アウトプットドリブン
第5章 メッセージドリブン
となっています。

まあ、いかにもコンサルタントの言いそうな内容ではないですか 笑
繰り返しですが、こういう考え方そのものに新しさはないと思うのですよね。

で、出版されたその時に買わなかったこの本ですが、最近になって入手しました。

なんでかっていえば、この本ほど、こうしたコンサルの考え方、アプローチをうまくまとめている本はないよな、と思うようになったからです。他人にコンサル的アプローチを語るときに、これ一冊読んでもらうことの方が、私が話すより深く理解してもらえるのかなって思いまして。そして改めてパラパラと眺めて、本当によくできていると感じ入りました。

ただ、難しいのは、これを実際の業務の中で実践すること。

コンサルタントがコンサル的アプローチができるようになるのは、こういう本を読んだからではなく、こういうアプローチを前提と考える組織(上司も同僚も部下も)があり、常にそういう視点からのコメントやフィードバックを受け続けていくからです。そういう組織になり、例えば「イシュードリブン」といった言葉が社内の共通語になる、そんな環境を作るくらいのことができないと、こういうアプローチは定着しないのですよね。

社内研修でこの本について語ることはできますが、特に役員や部長レベルがこういったアプローチを身に着けようとしない限り組織は変わらない、そして、それが簡単なことではない、ということが現実の会社なんです。そして、そういうレイヤーの人たちが学ぶ姿勢をどれくらい持っているか、変わろうと考えることができるか、そこが必要ですね。

マッキンゼーネタがらみで言えば、東京オフィスのリーダーだった平野さんがカーライルに行った時にMECEということを繰り返し言っているうちに、カーライルの人はMECEをかなり徹底的に仕込まれたということを聞いたことがあります。トップが繰り返し言う、ということがやはり一番重要なのかもしれません。

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