アイヌの自然と共に消えてしまったユーカラ
『アイヌ神謡集』
映画『カムイのうた』を観て興味を持った。
最初はKindleの青空文庫で読んでいたのだが、最初ローマ字で面食らったが、アイヌの発音通り書いてあるのだった(ただローマ字なのでイントネーションや抑揚などはわからない)。それと日本語の和訳が付いていて、岩波文庫では見開きでローマ字と和訳なので読みやすい。ローマ字はあまり読んでないのだが(というか読めない)。
謡だから、アイヌの人の声は失われてしまったのだろう。序文が映画の中でも引用されていたのだが、そこが「青鞜」の宣言文(女性は太陽であった)のようで興味深いのだが、少数民族が日本という多数民族に虐げられて声を奪われてしまったということが書いてある。それは北海道という自然の神々の世界を帝国の開発で破壊してしまったということなのであった。だから失われたユーカラの声は再現出来ないのだろう。
北海道の近代化とともにアイヌが愛した自然は破壊されて失われて行った。その喪失した声の文学であり、ローマ字表記はもはやユーカラを再現出来るものではない白骨のようなものだ。
そこに日本語の翻訳として物語が書かれてあるのだ。イソップ物語のようで、自然の神々(アイヌ)の中にも位があったり悪い神もいて愛らしい動物や自然のの姿が描かれている。ほんらいをそれらは謡としてアイヌの人々の自然の歌声だったのだ。
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