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『あのこは貴族』を観た

本当の貴族は殿上人しか認めない!東京の成金だとブルジョアだよな。せいぜいのところ地方の豪族止まりで。だから階級差にこだわるのかもしれない。やたら外食に金をかけるのは、スマートじゃないし、貴族だったら食事も基本侍女などがいて、家で取り揃えるだろう。だから富山出身のミキティのほうその血筋かも。今は落ちぶれてしまったが。

牡丹餅のシーン。春の彼岸はブルジョアだったら〇〇屋の牡丹餅なんだと観ていた。スーパーに売っているのは「おはぎ」で牡丹餅はなかなかない。デパ地下に行けばあるのかな。

門脇麦のお嬢様の仕草は、ちょっとデフォルメされているのかな。でも陸橋の向こう側にいる女子高生へのバイバイが皇族式に手をふっていた。

高良健吾の地方議員の秘書ももう少し掘り下げると面白かったかも。地方出身者が東京に出てきて成金化する、そして階級差にこだわる。経済的な癒着を求めて政治家を輩出する。それも地方で先生ヅラする(普段は東京で生活しているのに)。

役者の血筋としては石橋凌(最初石橋蓮司の娘かと勘違いしていた)と原田美枝子の娘である石橋静河は貴族的ではあるが、その役柄としてシスターフッド映画の牽引役として輝くものがある(バイオリンシーンとか)。

その石橋静河の逸子が言うセリフに「東京では地方出身者との壁がある」というような山の手とその外側という境界、そしてその中心に皇居というぽっかり空いた穴がある。そこはブルジョアも入れない場所で階層化されている。柳美里『JR上野駅公園口』は純文学で格差社会を描いたもの(そのほかに山手線シリーズとして、『JR高田馬場駅戸山口』『JR品川駅高輪口』)がある。


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