女性漫才コンビとしての小野小町と玉造小町
『二人小町』芥川龍之介( Kindle版)
能『卒塔婆小町』と平安時代の漢詩文『玉造小町壮衰書』を加えて喜劇にした戯曲。
二人の小町が閻魔の使者を騙して死を逃れる話。そして老婆となった元に再び使者が現れて愚痴る話だった。この時代はまだ美人は女神として崇められなかったのか(芥川は反フェミニスト)?小野小町は「六道」の地獄絵があったり酷い扱いだった。ただ敵対する二人(ライバル?)の小町が老婆になっても漫才コンビよろしく閻魔の使者をやり込めるのが面白い。そういう婆さんたちはいそうだ。能『卒塔婆小町』を戯曲として翻案したような作品。それに『玉造小町壮衰書』という漢詩文の作品を加えたような。小野小町は「六道」に行く絵もあったので、そっちの芥川の作品も読んでみたいと思った。
女性性を虚偽性を見ているのが芥川なのかなと思う。明治・大正時代の男性原理かもしれない。女神となるのはもう少し後かも(堀辰雄とか、西欧文学の影響だろうか)?
芥川は西欧の文明開化には疑問符の人だったから。ただ女同士も敵対(ライバル?)しながらも老婆になっても道行は同じというのは面白い。そういう女性はいるよなと思った。
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