樹木は怒っている?
『樹木たちの知られざる生活: 森林管理官が聴いた森の声』ペーター・ヴォールレーベン (翻訳)長谷川圭
森の木がネットワークによって助け合っているという話。人工的に植えられた木よりも病害虫にやられにくく伐採しても他の木から栄養補給を受けて切り株は枯れないという。樹木が会話をしていたり、ゆっくりと環境に合った育ち方をしているとか興味深い話だった。
森の木は成長が遅く大木である親木に成長は妨げられているがしっかりと丈夫な木に育つようになって、親木が倒れると一気に成長していくとか。また大木は虫や動物たちの住処になり、鳥は木の振動を聞きながら外的がやってくるのを察知したり、害虫が弱っている木だと仲間を呼ぶとか、木そのものが害虫をころしてしまうような成分を出すとか驚くことばかり。
街路樹はいろいろ問題があることは、散歩しながら感じていたことではある。川沿いの桜は異様な曲がり方をしていて、川沿いに傾いている。また根本はひび割れ伐採予定とか。公園にあるメタセコイアも樹皮が剥がれているのだ。単独で立っている木は病気や害虫に弱いというのは納得がいく。ある程度緑であればいいという傲慢さに樹木たちは悲鳴を上げている。
また樹木によって人が住みやすくなるというのも納得が行くのだが、防風林の松が一斉に病気になったり、木の気持ちなんて考えてこなかった人間である。都市開発で樹木が邪魔になればどんどん伐採していくし、まあ花粉症ぐらいしか木には抵抗することがないのかもしれない。
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