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伊勢物語「芥川」の韓国映画?

『声もなく』(韓国/2020)監督ホン・ウィジョン 出演ユ・アイン/ユ・ジェミョン/ムン・スンア


解説/あらすじ
普段は鶏卵販売をしながらも、犯罪組織から命令され死体処理などの裏稼業で生計を立てる、口のきけない青年テインと相棒のチャンボク。ある日、犯罪組織のヨンソクからの無茶な命令で、身代金目的で誘拐された 11 歳の少女チョヒを1日だけ預かることになる。ところが、依頼をしたヨンソクが組織に始末され、ふたりは予期せず誘拐事件に巻き込まれていくことに…。

韓国の新感覚派というような女性監督の映画。日本のアニメや文化に詳しいみたいだから、『今昔物語』の「芥川」を知っているのか?韓国にも似たような話があるのだろうか?お姫様を誘拐した鬼が、心通わせるのだが、情景が夜の露をライトが照らし月夜の畑の中で彷徨う少女。ユ・アインはお姫様をさらってしまった青鬼だ。

ストックホルム症候群。ヤクザの下請けをやっている地方の貧困の青年が誘拐事件に関わって、賢い少女と頭の悪そうな聾唖?の青年の物語。主役のユ・アインは『バーニング』の主演の人だった。どことなくイモ臭いけどなんかほっとけない魅力がある。

自転車の後ろに少女を縛って走るシーンがいい。誘拐された少女が誘拐犯の男の妹(鬼の妹)に人間の作法を教えて、部屋がきれいになるシーン。喜劇風なのもいい。。情景がナイス。夕焼けとか夜の露とか満月とかの情緒が民話的で神話的。論理的なストーリーではないけど共感してしまう。


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