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スキャンダル影に花あり忍冬

スイカズラの花。いい匂いがするのだった。

山になずむ春や日かげの忍冬 芥川龍之介

俳句では「忍冬」の漢字が使われるのは、冬に枯れずに葉が緑のままだからという。花のイメージは蜜が甘い「吸葛」なんだが「忍冬」の俳句が多い。芥川龍之介は春の歌だから葉っぱを読んだのか、季語は夏だから、春と冬と夏が入っていることになる。でも葉っぱよりもやはり匂いに惹かれたのだと思うがどうなんだろう?芥川龍之介の句は女の匂いを感じてしまう。愛人とか。日かげの愛人。検索してみたら片山廣子が出てきた。

なんとなくこの「忍冬」は片山広子をイメージしてしまう。

そういえば松本清張が芥川龍之介の自殺は愛人スキャンダルだと書いていたな。その松本清張『日本の黒い霧 上』の「下山国鉄総裁誅殺論」を読んだ。その裏にGHQの内紛があって、米軍と国防省の対立があったということで、敗戦後の日本での右翼や軍人勢力を一掃するのに共産党の力が必要だったということで、国防省は彼らは支援していた。その中には赤化したリベラリストも含んでいたので、当時の日本国憲法もかなりリベラルな内容になったというのは、どこかで読んだことがある。それが過ぎると今度はアメリカのアジア進出があり(朝鮮戦争)そのための郵送手段として国鉄が必要だった。しかし当時の組合は共産党員も多かったので、解雇するのに組合と対立していたということなのだ。それは見かけ上は人員整理(国鉄の余剰人員)に見えたが裏には米軍の輸送手段しての国鉄があったということだ。

その推理の中で米軍のための軍用列車があり、それで死体を運び線路に突き落としたという推理が鉄道の時刻表と共にあって、鉄道が好きすぎるのか、この推理は面白い。

読書は、そのぐらいか。朝図書館に返却するのに林桂『船長の行方』を読んだ。感想書きかけで昼過ぎに出かけたのだった。この感想を書いてしまおう。あと『短歌と日本人〈3〉韻律から短歌の本質を問う』も読み終わった。こっちの方は横浜図書館の返却本だった。返却本に追われる日々。

『窯変 源氏物語8』が町田の図書館にあったので借りてきた。これで横浜の図書館から借りた同じ本を返却出来る。本当は9を借りたかったのだ間違えて8を借りてしまったのだ。8は「若菜上」だけだったのに(それでも半分ぐらいの分量はあるか)。横浜の図書館で9を予約しているので問題はないのだけど。横浜の図書館で期限が来たのを町田の図書館で借りたり、逆のパターンでいつまでも読みたい本をキープしているという状態だった。ただもう横浜の図書館の方は上限一杯借りているから、予約本が入ったときに返却しなければ借りれないのだった。

とりあえず『魔の山』を優先的に読まなければ。短歌レッスンも俳句レッスンも読む本が多くなっているのを整理しなければ。現代詩は今のところ寺山修司の1冊だけだが、宮沢賢治関係の本が貯まってしまった。

映画『ミッシング』。石原さとみのドキュン母親の演技が称賛されているのだが、映画はTV局の報道姿勢を問うものだと思った。その部分のツッコミがないように感じてしまったのは、ラストで夫婦愛・兄弟愛でまとめてしまっているから、一番の問題点は宙吊りのままだった。石原さとみの母性愛みたいな宣伝をしているけど、ちょっと違うと思った。

今日の一句。

スキャンダル
影に花あり
忍冬     宿仮

芥川の一句を受けた句だった。別に行分けする必要もなかったな。ただ音韻とかわかりやすいのだ。凡人の句だけど。気を取り直して今日の一首。

炎上も
影に花あり
忍冬
治まるまでは
諦観あるのみ

これもあまりいい歌とは言えないな。平凡すぎる。そういえば「飛ぶ教室」でジェロニモというお笑い芸人の短歌を紹介していたのだが、ちっともいいとは思わなかった。新しい言葉を入れればいいということなのかな。生活観が違ってピンと来なかった。「ティファール」とかの商品名が宣伝のように思えたからかもしれない。



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