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神道のプロモートアニメかと思った

『すずめの戸締まり』(2022年製作/121分/G/日本)監督:新海誠


解説
「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督が、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる「扉」を閉める旅に出た少女の冒険と成長を描いた長編アニメーション。

九州で暮らす17歳の岩戸鈴芽(すずめ)は、扉を探しているという旅の青年・宗像草太と出会う。彼の後を追って山中の廃墟にたどり着いたすずめは、そこだけ崩壊から取り残されたかのようにたたずむ古びた扉を見つけ、引き寄せられるようにその扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で次々と扉が開き始める。扉の向こう側からは災いがやって来るため、すずめは扉を閉める「戸締りの旅」に出ることに。数々の驚きや困難に見舞われながらも前へと進み続けるすずめだったが……。

「罪の声」「胸が鳴るのは君のせい」などに出演してきた若手俳優の原菜乃華が、オーディションを経て主人公すずめ役の声優に抜てきされた。草太役はこれが声優初挑戦の「SixTONES」の松村北斗。そのほか、深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、松本白鸚らが声優を務め、新海作品常連の神木隆之介、花澤香菜も出演。音楽も、新海監督と3度目のタッグとなる「RADWIMPS」が、作曲家の陣内一真とともに担当した。2023年・第73回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品され、同映画祭で最高賞の金熊賞を受賞した「千と千尋の神隠し」以来21年ぶりとなる、日本アニメーション作品のベルリン映画祭コンペ入りを果たした。

元旦に映画館で『ゴジラ-1.0』を観るまえに地震があり、録画していた『すずめの戸締まり』を観た。タイミングよすぎた。

地震で喪失(「東日本大震災」)したものへの鎮魂歌のようなアニメ。日本神話を折り込んで神道のプロモートアニメみたいに感じてしまった。納得してしまうんだがラストは説教臭く感じた。挨拶を大切にみたいな。「戸締まり」ってそういうことなんだと思った。「サヨナラ」という挨拶も。

そういう部分では良かったのだが、なんか引っかかってしまうのは、世界を救おうとして、その世界より個人の方に重きを置きながら、ラストは感謝しなさいみたいな、そういう説教臭さか。たぶん制作者側ではそういうことは考えてないのだと思う。だから、こういうアニメを作って商売できるという感性が嫌な気持ちを起こさせる。こういうセンチメンタルな気分が嫌なんだと思う。懐メロとか。

結局日本人(日本人だけではないが)の心情を見透かして、あの時代は良かった的なだけど前に進むためには君たちの未来は明るいというような胡散臭さかな。こっちがひねくれているだけなんだろうけど。そういう感性をいざなって共同体というものが形作られていくのだと思うが、そこに入れない人もいるわけで。


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