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華の共演も良し悪し
『華の乱』(1988年/日本)監督深作欣二 出演吉永小百合/松田優作/池上季実子/石田えり/中田喜子/西川峰子/松坂慶子/風間杜夫/緒形拳/石橋蓮司
あらすじ
若き日に家を捨て親兄弟を捨て、歌の師である与謝野寛と結ばれた晶子。そして大正12年。晶子は39歳になり今では11人の子持ちの主婦。夫の寛は鬱病がひどく無気力そのもの。寛の主宰する雑誌「明星」に書いた詩で晶子が浴びた非難、悪罵の数々。が、それらが返って晶子に世間と戦う勇気を与えてくれたようだ。そうした日々の中で、晶子は作家の有島武郎と出会い、胸のときめきを覚えざるを得なかった。が、それにつけても不安なのは、いつも有島の周辺にいる女性編集者・波多野秋子の存在。晶子は、その秋子から有島が近頃、生への意欲を失い、いっそ命がけの恋でもして、その熱い歓びの中で死んでしまいたい、などと洩らしていることを聞かされ、強い衝撃を覚えるのだった。その有島は、病妻に先立たれて間もなかった...。
オールスターキャストによる大正浪漫のエンタメ映画。与謝野晶子は脚色されていて恋に生きる女のままだった。大正時代までだからか。吉永小百合は目立たないというか、前半は松井須磨子演じる松坂慶子の過剰な演技にかすれてしまった。松坂慶子は特別出演なのに主役を食うぐらいの過剰演技。
吉永小百合の静と松坂慶子の動を対照的に描きたかったのかもしれないが、松坂慶子はミスキャストだった。『蒲田行進曲』のまま抜けきれない感じの演技。吉永小百合はこういうオールキャストの場合は、あまり過剰になる人と組ませないほうがいいような。美人かもしれないが演技が地味。
松田優作が静の演技で魅せる。有島武郎の役は役作りから入っているような。最初松田優作だとわからなかった。演技派が入り乱れている中で松田優作の存在感はピカ一だった。
伊藤野枝役の石田エリは泣けるシーン、最初の子供が辻潤と一緒に旅芸人のように付き添っているシーン。子沢山で与謝野晶子の家と重なるのだが、石田えりが吉永小百合と対になるように描いたほうが良かったかな。全体的に過剰の演技なのは、監督の好みなのか?
池上季実子はこの頃が華だったんだろうな。
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