![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98015614/rectangle_large_type_2_c3ee7427f586893bf6ddad8bb58f7eed.png?width=800)
光源氏の生みの親(代わり?)頭の中将の話
『源氏物語 02 帚木』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版)
平安時代中期に紫式部によって創作された最古の長編小説を、与謝野晶子が生き生きと大胆に現代語に訳した決定版。全54帖の第2帖「帚木」。五月雨の日、葵の兄・頭中将が女性の品定めを始める。左馬頭、藤式部丞も加わってそれぞれの体験談を話すが、その間も源氏はただ一人の恋しい人・藤壺を思っている。翌日、紀伊守の家で源氏は、伊予介の妻・空蝉に興味が湧く。「中流階級が一番良い」という話を思い出し、空蝉の寝間へ忍んでいき一夜を共にする。心奪われた源氏は再会を望むが、人妻である空蝉はかたくなに拒む。
「帚木」は女性談義「雨夜の品定め」として有名で『源氏物語』でもサイドストーリー的なものとしてあまり重要視しなかった。でも「帚木」「空蝉」「夕顔」と三部作として読むとなるほど「帚木」はそれらを展開させるための物語だったのかと知る。光源氏の先輩ライバルである「頭の中将」の物語であり光源氏に先行するプレイボーイ譚。
「帚木」のタイトルになった和歌は重要だと思われる。光源氏が空蝉のもとへ空蝉の弟である小君を遣わして姉との取次を計るのだが。
(光源氏)
帚木の心を知らでそのはらの道にあやなくまどひぬるかな
(返し)
数ならぬふせ屋におふる名の憂さにあるにもあらず消ゆる帚木
「桐壺」と「帚木」の間に「輝く日の宮」という藤壺の話があったという。読んでみたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?