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俳句のセオリーよりも詩であること
『十七音の海 俳句という詩にめぐり逢う』堀本裕樹
研ぎ澄まされた俳句的「ものの見方」を知れば、たちまち日常が感動に変わってゆく。100句以上の鑑賞を通して、初心者にもわかり易く楽しめる、俳句入門必携の書。
目次
第1章 「共感力」を養う
第2章 「季語」の豊かさに触れる
第3章 言葉の「技」を身につける
第4章 覚えておきたい俳句
巻末まんが句会体験記 はじめて句会に行きました(イトウエルマ)
堀本裕樹のこの本は、ある程度基礎的な俳句教本よりも季重なり、字余り・字足らず、自由律俳句を出しているように、それまでの定形俳句に馴染めない人にも少しは参考になるよな。短歌では口語会話文というのはごく普通にあるのだが、そのような俳句もあったりする。
俳句の基本は詩であることだから、そのことさえ踏まえていれば俳句のセオリーから外れてもいいという柔軟性がある。それでいて押さえるところはきちんと押さえているよな気がする。ひとつだけ不満があるとすれば季語が一般的に使われない俳句専用の季語があることぐらいか?
あと掲載句も川上弘美が出ていたり、『東京マッハ』の仲間だったり、そのへんはいろいろあるのかな。
お気に入り10句。
うしろすがたのしぐれていくか 山頭火
木がらしや目刺にのこる海のいろ 芥川龍之介
葱坊主どこをふり向きても故郷 寺山修司
鞦韆は漕ぐべし愛は奪うべし 三橋鷹女
空(くう)をはさむ蟹死にをなるや雲の峰 河東碧梧桐
金剛の露ひとつぶや石の上 川端芽舎(ぼうしゃ)
海に出て木枯帰るところなし 山口誓子
天道虫雫のごとく手渡しぬ 野見山朱鳥
黒板にDo Your bestぼたん雪 神野紗希
はっきりしない人ね茄子投げるわよ 川上弘美
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