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パトリシア・ハイスミスに恋した人の映画

『パトリシア・ハイスミスに恋して』(2022年/スイス=ドイツ/88分)【監督】エヴァ・ヴィティヤ 【キャスト】マリジェーン・ミーカー,モニーク・ビュフェ ,タベア・ブルーメンシャイン,ジュディ・コーツ,コートニー・コーツ,ダン・コーツ


トルーマン・カポーティも認めた才能
『太陽がいっぱい』『キャロル』『アメリカの友人』を生んだ作家パトリシア・ハイスミス
死後に発表された秘密の日記を通して初めて明かされる作家の素顔とは

欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る、サスペンス、ミステリー作家、パトリシア・ハイスミス。トルーマン・カポーティに才能を認められ、『太陽がいっぱい』『キャロル』『見知らぬ乗客』『アメリカの友人』などの映画史に残る名作の原作の数々を生みだした。中でも偽名で発表した『キャロル』は自伝的小説であり、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。しかしそんな栄光を手にしながらも、ハイスミス自身は、女性達との旺盛な恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。

本作ではハイスミスの生涯を、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、タベア・ブルーメンシャインをはじめとする元恋人達や家族によるインタビュー、そしてヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜながら、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリーである。『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズで知られるグウェンドリン・クリスティーのナレーション、そしてフランスのギタリスト、ノエル・アクショテが書き下ろし、ビル・フリゼールとメアリー・ハルヴォーソンが演奏に参加した楽曲に導かれ、現代ますます再評価の高まる女性作家の、クールな仮面の下に隠された、惚れっぽく、傷つきやすく、愛を渇望し続けた、知られざる素顔が明かされる。

▶パトリシア・ハイスミス Patricia Highsmith

1921年1月19日、アメリカ、テキサス州フォートワース生まれ、ニューヨーク育ち。バーナード・カレッジ在学中より短編小説の執筆を始める。1950年に発表した長編デビュー作『見知らぬ乗客』でエドガー賞処女長編賞を受賞。 同作は翌年にアルフレッド・ヒッチコックにより映画化される。1952年、クレア・モーガン名義で自らの体験を基にしたロマンス小説『The Price of Salt』(後に『キャロル』と改題)を刊行。その他の主な著書に『太陽がいっぱい』をはじめとする「トム・リプリー」シリーズ、『水の墓碑銘』、『殺意の迷宮』など。1962年よりヨーロッパに移住。 1995年、スイスのロカルノで再生不良性貧血と肺がんの併発により逝去。74歳没

全体的パトリシア・ハイスミス・ラブの映画だから興味がない人にはちょっと退屈すぎるかもしれない。一番はレズビアンだったということなのだが、これは今更の話だし、当時はそれは危険なことだったというのは慣習でか、まあ母親がレズビアンを許さなかったというような感じなのかな。

それでもパトロシアは母を愛していたのでそれがフィクションの世界で生きることになったようだ。『キャロル』はそういう年上の女性の姿を母に見出しているのかもしれない。

あとはアメリカ南部出身で極めて保守的なところで男の子のように育った。そういうことがインタビューで明らかになるのだが、それがどういう意味を持つかはよくわからないのだが、タチという位置なのかな?タカラジェンヌの男役のような華やかさだろうか?写真からはそうした姿が伺える。

あと映画についての言及もそれほど詳しく取り上げたわけでもなかった。批評精神に欠けるのだと思う。ハイスミスについては直前に読んだ『クィア・シネマ』が良かっただけに映画は残念なものだった。

ノスタルジックなギター・サウンドが良かった。ビル・フリゼールだったか。


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