『バッファロー'66』感想。
リバイバル上映。1999年上映のときも観てヴィンセント・ギャロの才能に惚れ惚れしたが、なんと言ってもレイラ演じるクリスティーナ・リッチである。
題名はアメフト・チームのバッファロー・ビルズが66年以来優勝していない弱小チームで大阪の某球団みたいな。母親が熱烈なバッファロー・ビルズのファンで、クリスティーナ・リッチが出会いの馴れ初めを劇的に語るシーンではTVに夢中。
このテーブルのカットは面白い。四人がけのテーブルに両親とビリー(ギャロ)とレイラ(クリスティーナ・リッチ)が座る。そして三人が映るように撮るんだけど、その場所には誰かがいるはずなんだ。ときたま席を立って不在のときもあるのだが、そのカットをそれぞれの視点からのカットが面白い。両親と彼女紹介の心理戦の雰囲気をうまく醸し出している。そんな中でもレイラは健気にビリーを愛する恋人を演じる。
演じると書いたのは、最初はビリーに拉致されるのだ。無理やり嫁になれと連れてこられて、どうしてビリーを好きになってしまうかわからないけど、ストックホルム・シンドロームというやつかな。
ストックホルム・シンドローム(症候群)。ストックホルムにおいて発生した銀行強盗人質立てこもり事件において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう。
ビリーは刑務所から出てきて、すぐにおしっこ我慢する男をヴィンセント・ギャロが好演している。。強がっているけど痩せ我慢の見栄っ張り男。そんな男にクリスティーナ・リッチのレイラがほれてしまうのだからまさに天使のような女の子。幾分幼児体型であり、ハリウッドの美女タイプとは違うが(ビリーの元彼女がチア・リーダー的なそんなタイプ)、表情が素晴らしいのだ。証明写真を撮るときのカットの素晴らしさ。フォト・ジェニック(ギャロにも言える)なんだよね。
そしてボーリング場でのタップダンスの素晴らしさ。けっして上手いというのではないけど伝わってくるものがある。
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