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神がかり的展開

『源氏物語 13 明石』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版)

平安時代中期に紫式部によって創作された最古の長編小説を、与謝野晶子が生き生きと大胆に現代語に訳した決定版。全54帖の第13帖「明石」。三月巳の日から始まった暴風雨は全く収まる気配がない。源氏の夢に亡き帝が現れ、早く須磨を去れと告げる。明石の入道も夢でお告げがあったと船で迎えに来た。源氏は明石へ居を移す決心をする。入道の娘・明石の君は気品溢れる女性で、ほどなく源氏と結ばれ子を宿す。しかし源氏は赦免され、悲しみにくれる入道一家を残して京へ戻るのだった。

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『千年の恋 ひかる源氏物語』で入道を演じたのは竹中直人でその胡散臭さがよく合っていたのだが明石の君は細川ふみえだったんだな。こっちはあまり印象になかった。

またYou Tubeで与謝野晶子『源氏物語』があるので読むのは面倒な人はこれを聴くと良いと思う。ただ朗読は結構集中力がいるので読むほうが早いかもしれない。

「須磨」から雰囲気が大きく変わるのかと思ったらあっさり政界復帰になっている。その間に天変地異や右大臣家の病などいろいろあったのだが、もう少し貴種流離譚を続けてもらいたかったが神業というご都合主義的な感じを受けざる得ない。まあ入道とのジャムセッションは、映画『犬王』を連想させたりして面白いのだが、『平家物語』の影響も受けているのか、『源氏物語』から『平家物語』と発展していたのかその当たりの関連性も興味深い。光源氏はもう少し苦労させた方が良かったよね。入道の力によるところが大きい。


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