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007の高齢化問題

『007 スカイフォール』(2012/イギリス,アメリカ)監督サム・メンデス 出演ダニエル・クレイグ/ハビエル・バルデム/レイフ・ファインズ/ナオミ・ハリス

解説/あらすじ
「M」が過去の亡霊に付きまとわれるにつれて、007の忠誠心が試されることになる。MI6が標的にされるなか、007はその脅威を見つけ、破壊しなくてはならない。たとえ、その代償がいかに個人的なものであったとしても――。全世界で愛されている『007』シリーズ23作目。

動物のたとえ話が出てくるのがP.K.ディックの作品(「エヴァンゲリオン」でもいいけど)みたいだった。鼠が増えて脅威になる。ドラム缶に落とし穴を作って鼠をいっぱいにする。そのままお互い同士喰いつくすままにして、殺鼠鼠だけが残る。よくわからないたとえ話なんだが、その二匹残ったのが007とMの暗殺者だった。

あとテニスンの詩の引用とか脚本がイギリスっぽい。「ユリシーズ」に関する詩で老いたユリシーズが帰還するが運命を受け入れて、自分の仕事を全うするというような詩だ。ちなみにジョイスでは、ユリシーズが放浪している間に浮気されて息子も家出して家族解体というような話。

「スカイフォール」というのは空虚(故郷の場所)ということなのか?人殺しに暗躍するけどちっとも世界が良くならない、その仕事の虚しさ。会社人間が襲われる病。再雇用された仕事人間のジェームズ・ボンドは休暇期間中(怪我療養中)は遊び人であまりそういことは考えない(オン・オフがしかっかりできる人なのか?)。

ジェームズ・ボンドの暗部がシルバという男。ジョーカー的な存在感があり、M(マザー)との絆を試す展開だった。ジェームズ・ボンドは両親が殺された故郷(スコットランド)の孤児がイングランドの為に働く。もう一人はアイルランド人なんだろうか?

ストーリーは複雑だけどよく練られた脚本なのはイギリス映画的だな。Mと敵対者の戦いで、ジェームズ・ボンドは脇役なんだよな。町山智浩さんの敵対者が目的を果たし、ジェームズ・ボンドは仕事をしてなかった(結果を残せなかった)という指摘は、今の高齢化労働者のようだ。

オープニングのシルバを追いながら車を次々に破壊していくボンドが爽快さがあるのは、破壊神のようだった。そしてボンドの墜落、アデルの主題歌、タイトルという展開がわくわく感を演出する。最初にボンド死んだのかと。不死身なんだけどね。そこがヒーローもののフィクションの面白さ。



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