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メキシコ母さんは、恐れ入谷の鬼子母神

『母の聖戦』(2021年/ベルギー、ルーマニア、メキシコ)監督:テオドラ・アナ・ミライ 出演:アルセリア・ラミレス、アルバロ・ゲレロ、アイエレン・ムソ、ホルヘ・A・ヒメネス


解説/あらすじ
メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー、シエロのひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。冷酷な脅迫者の要求に従い、20万ペソの身代金を支払っても、ラウラは帰ってこない。警察に相談しても相手にしてもらえないシエロは、自力で娘を取り戻すことを胸に誓い、犯罪組織の調査に乗り出す。そのさなか、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結び、組織に関する情報を提供したシエロは、誘拐ビジネスの闇の血生臭い実態を目の当たりにしていく。人生観が一変するほどのおぞましい経験に打ち震えながらも、行方知れずの最愛の娘を捜し続けるシエロは、いかなる真実をたぐり寄せるのか―…。

coco映画レビュアー

母と悪ガキの戦いなら母が強いか?メキシコの社会情勢を描いているのだが、母側に付く警察権力のえげつなさも描かれていた。悪ガキの方もにも家族がいて、その恨みを買うのだらからこうしたこと暴力には暴力でというのは解決の道は遠い。その社会背景として貧困化があるのだ。

母親側がどうしてもブルジョア的に見えてしまって、例えばイスラエルとパレスチナの争いのようにアメリカ型の欲望主義が根源にあるのだ。ギャングの歌が流行るように。娘もそこに憧れていた部分がある。母と娘の関係で見るならば子離れしてもいいと思うのだ。ただどこまでも母親は母親という業の深さを描いた映画なのかもしれない。

正義よって悪を成敗するという内容で見ればスーパーマンものと変わらないのだが、ただ母親の執念というかその姿が修羅様なのだ。鬼子母神という感じか?エンタメ映画の部類だろう。

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