谷川俊太郎の詩活
『詩活の死活 この時代に詩を語るということ』谷川俊太郎 , 田 原 , 山田 兼士
図書館本。現代詩を知りたく谷川俊太郎が入っているから借りました。対談本ですね。田原さんは名前がないのか?と思ったら田さんでした。田原(でん げん、ティエン・ユエン、ティアン・ユアン、1965年11月10日 - )という中国の詩人でした。
最初にこの詩が載っていたのが、読みたいと思った理由でした。それ以外に対談の中で少し詩が出てくるだけでほとんど対談です。谷川俊太郎2000年~2010年ぐらいまでの動向と現代詩が置かれている状況が話題のようです。
対談ですけど、ほとんど谷川俊太郎の詩についてです。田原(でんげん)という人は中国の詩人で谷川俊太郎の詩を中国語に翻訳している。その彼が中国語に翻訳し易い詩としにくい詩があるという話で中原中也はしにくいと言う。日本語独特のリズムや言葉であり、なかなか漢詩にはなりにくいんだという。反対に北原白秋は翻訳しやすく人気があるという。
その田原さんが谷川俊太郎の詩でひらがなは詩はやめてれという。漢詩にすると日本語の雰囲気を出すのが難しいそうです。あと谷川俊太郎の言葉遊びの世界も中国では一段低く 見られている(日本でもちょっと前までは観念的な詩が多かった)。谷川俊太郎は文字よりも声にだしたときに楽しめる詩を書きたいという。現代詩は文字によるものが多くなって、それが難解さの原因ではないかと。詩人が朗読するようになったら、そんなに観念的な詩は読みたいとは思わないという。子供にもわかる詩、むしろ子供心を失わない詩が大切だというような。
それでも相田みつをと一緒にされるのはかなわないと思うそうだ。谷川俊太郎のファンが相田みつをも好きだというとがっかりするそうだから、本人の前では相田みつをは厳禁。
谷川俊太郎はマルチメディアとしての詩の可能性を探っている。確かに今詩だけで読んでもらえる人は限られている。ましてや谷川俊太郎ぐらいしか儲けている人はいないのじゃないか。それでも明治の新体詩の頃はみんなそうだったという。金儲けなんて考えていなかったから反体制的な詩が作られてきた。体制に寄り添うのは戦時だったのだ。
谷川俊太郎でも権威には与しないで時には読者を挑発するという(2008.11.13)
谷川俊太郎が現代詩に役立つ5つのものとして「無意識」「直感」「意識」「技術」「バランス」を上げている。
谷川俊太郎の詩「生きる」のマルチメディア化と共に連詩がネット世界で広がっているらしい。
その冒頭を引用して、後の詩をそれぞれ各人で考えて繋げていくらしい。
例えばこんな風に各自のことを繋げていけば「生きる」世界が広がるという思考。これは凄いな。実際にそういうサイトがあるんだとか。やってみたくなる。誰も自由参加なら連歌とかより開かれたものだが、どこから読めばいいのだろう。参加することに意義があるのか?「生きること」だから。
田原さんは、ティエン・ユアンと言うんだ。中国語の発音はイントネーションもあるから難しいよな。
谷川俊太郎『二十億光年の孤独』は18歳で書かれて、三好達治が書いた巻頭のフレーズ。高校生の詩だったんだ。
谷川周太郎の父が詩人で三好達治に持っていった。父は中原中也とも知り合いだったようだ。だから家に詩の本が沢山あった。
「鉄腕アトムの主題歌」は谷川俊太郎作詞。
詩について詩で語る「詩とは何か」のたえずの疑問が谷川俊太郎の詩のモチベーション。そこからマルチメディア的であったり、「子供」の詩であったりする。
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