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くすんでるビニール傘の秋の雨

秋雨前線。素直に秋の雨か?

紫陽花や青にきまりし秋の雨 正岡子規

いきなり紫陽花を持ってきて秋の雨と詠む。中七の「青に決まりし」が味噌だった。他の色はどうなる?

アナベルや色にも染まらず秋の雨 宿仮

正岡子規の本歌取りだが、紫陽花の方が強いか?

エコバックビニール傘に秋の雨 宿仮

昨日の買い物帰り。地球の環境を考えているのか?一応写生句のつもりだった。ここからだよな、色を出すのは。ビニール傘は突然の雨の情景か。

くすんでるビニール傘の秋の雨 宿仮

無色透明じゃないビニール傘の草臥感を出してみた。

昨日は夕方から映画。アイヌの映画『シサム』。アイヌの歴史を描いた秀作で『ゴールデンカムイ』のようなファンタジーさはなく、リアルなアイヌと倭人の侵略を伝えていたと思う。ちょっと綺麗だと思ったのはサヘロ・ローズだったんだな。唇の入れ墨が、ちょっと見グロテスクなんだけどパンクな美と言ったらいいのか?サヘロ・ローズだったからあの役が出来たのかもしれない。アイヌ語の歌や言葉とかかなり頑張った映画だと思う。予告編を見た時に船戸与一『蝦夷地別件』が原作なのかと思った。上下巻の長編なので上巻だけ読んで止まっていた。また続きを読んでみようか。

エンディング曲が中島みゆきなんだが、中島みゆきの曲はこの映画以前に作られた曲の流用だった。中島みゆきの曲を使うとそれらしく見れるというのはなんでなんだろう。実際に映画じゃなくても中島みゆきの歌は存在感がある。

昨日は午前中雨模様でちょうど出かける時間は傘がいらなかったが、帰りに降られた。買い物帰りだと傘を持つのが辛い。一人ものの食料でもこうなんだから、家族持ちはこういうときは大変だと思う。まあ今は車でスーパーに行く時代でもあるけど。

読書は詩の本や俳句の本などレッスンのために。今一番面白いのは、『討議 詩の現在』だろうか?内容はかなり専門的なのだが「荒地」派がなぜそういう群れで呼ばれるのかと思ったら、かつての仲間で戦死した森川義信がメンバー間を精神的に繋いでいるのだった。これはブランショ『明かしえぬ共同体』なんだと思った。

その詩鮎川信夫『死んだ男』ではMで表記されている。「荒地」派メンバーでも暗号のようにMの姿が埋め込まれているのだ。そういうことが書かれてあって、多分に仲間意識の感情とかそれは世界とは別個のものなんだと思った。その共通意識が家族という繋がりなのかもしれないと、『狼煙を見よ:東アジア反日武装戦線“狼"部隊』でも感じる。そこが抒情性と言われるものだが、「荒地」派はそれを乗り越えようとして分裂したのかもしれない。それが良くわかるのが後から加わった吉本隆明だろう。彼には死者の思い入れは一切ないのだから。テロリストは言う国家と家族滅びるのはどっち?今日の一首。

テロリスト止まったままの腹腹時計 国家と家族、われ針をさす

かなり危ない歌だ。牢獄に入った用だな。


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