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負け続けても希望は捨てない人々

『プレジデント』(2021年製作/115分/G/デンマーク・ノルウェー・アメリカ・イギリス合作)【監督】カミラ・ニールセン

ジンバブエ共和国におけるクーデター後初の大統領選の行方を、現職大統領に挑む野党党首の姿を通して描いたドキュメンタリー。

2017年、ジンバブエ共和国を37年間にわたって支配してきたムガベ大統領がクーデターで失脚し、与党・ZANU-PF党(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)の代表ムナンガグワが暫定大統領に任命された。翌18年の大統領選に向け、野党・MDC連合(民主変革運動)は党首ツァンギライのもと選挙に備えるが、大統領選の4カ月前に党首が病死、若きカリスマのネルソン・チャミサが新党首に就任する。変わらぬ支配を狙う与党と、変革を求める民衆に後押しされる野党。国内外から注目される中、国の未来を決める投票が始まる。

同国の新憲法制定をめぐる権力闘争を追ったドキュメンタリー「Democrats」も手がけたデンマーク出身のカミラ・ニールセンが監督を務め、サンダンス国際映画祭2021でワールドシネマドキュメンタリー審査員特別賞を受賞した。

数年前だったら軍事政権から民主化が実現したアフリカの明るい未来というドキュメンタリーになっていたと思うが、これが今の世界のリアルなんだろう。あらゆるところで民主化が実現しそうなのに、最後の最後で権力者の思いのままに支配されてしまう。

それでやっても無駄と思うかまた出直しだと思うかの違いだろうか?可能性としてはあるようなそういうドキュメンタリーの作りにはなっている。それはアフリカという地域だからだろうか?

例えばその前に観た『ヨーロッパ新世紀』はもう出口のない閉鎖されたナショナリズムが支配していた。日本では低得票率のしらけムードの中で衰退していく様を眺めるだけだ。なのになんでアフリカでは夢見ることが出来るのか?それ以上に酷い国だからだろうか?悪夢の世界しかないのである。今の日本も不正政治家が逮捕されずにいるのは同じだと思うが。軍事政権じゃないということぐらいか?ただそれも先は見えない状態である。

野党の党首が若くて実行力があるということかな。暴漢にも襲われてもまた立ち上がる勇気がある。国民の支持はあるのだ。もう一歩のような気がする。やはり日本よりは希望があるのだろうか?

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