俳句は、四つ葉のクローバーよりハート
『20週俳句入門』藤田湘子 (角川ソフィア文庫)
短歌ばかりうつつを抜かしていたので俳句が下手になったと思って藤田湘子『新版20週俳句入門』を再び読んだ。一応「新版」を読んだのだが変わったところがあったのか?
この本を読むと確かに俳句は作れるのだが、最初に二物衝動を勧めるのでいきなりわかりにくい俳句になって一般受けはしない。シュールレアリズムの世界だから、わかる人にはわかるだろうという感じなのだ。抽象画のように。
いきなり抽象画を見せられてもそこから作者の意図を感じるのは難しいだろう。なんとなくリズムとか色調とか言われると感じる人もいるが、アイロン台にこうもり傘を示されてもそれが素晴らしいと思う一般人はいない。
それと最初に投稿先で選者によって自分の俳句を変えてはいけないと書いてあるのだ。これだと今の社会だと受け入れられる可能性は低いのだ。特に俳句世界は高齢化なのだからやたら高齢者のうるさ型が多い世界でもある。若くて魅力ある句を作れるのなら別だが。
だから二物衝動ではなかなか一般受けする俳句は作れないのだ。それこそそういう苦心を重ねて誰でも納得する俳句が出来た時は素晴らしいのだが、それはどうなんだろう。もうプロの領域なんだと思う。
確かに自分の俳句の道を探ろうと思えばそういうことなのかもしれない。同調圧力に屈して選者好みの俳句を作ってもそれ以上の句は作れないのだから。
だから逆に言えばこの本を読んでも藤田湘子以上にはなれない。4つの型は藤田湘子が見つけ出したもので、その型にいる限りは藤田湘子の枠の中にいることになるのだろう。それはプロに慣ればの話で俳句を毎日楽しみたいのなら、あまり型に嵌まる必要はないと思う。ただ型破りの句をつくるにしても型を知っておくのは損はないのだろう。五七五の定形に季語という狭い世界だ。
型・その一「上五季語(四文字)+や・中七・下五(名詞)」
型・その二「上五・中七(~や)・下五季語(五文字)」
型・その三「上五・中七・下五季語(三文字)かな」
型・その四「上五季語・中七・下五(三文字)けり」
「をり」「なり」「たり」の入れ替え可能。後の方にいくほど句が強くなる(決断・断定的)
それより俳句上達法として書かれた下の3点のほうが重要な気がする。
1、作句を毎日続ける。一ヶ月に30句は作る。
2、鑑賞書、句集を読んで視野を広げる。
3、俳句専門誌を購読し、その投稿欄に応募してみる。
暗唱は真面目な人はやるといいとは思うが若い時だとすらすら覚えられるが年取ると苦手という人は書いてみるとその言葉の違いなどわかるかもしれない。とにかく下手でも続けることです(自戒を込めて)。
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