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「獅子座」の人は観に行くとラッキー運アップ?

『獅子座』(1959年/フランス)監督・脚本:エリック・ロメール 出演:ジェス・アーン、ファン・ダウデ、ミシェル・ジラルドン

ヌーヴェル・ヴァーグを代表する一本 友人のいないヴァカンスのパリをさまよう孤独な中年男の運命
39歳のロメールが監督した長編第一作。獅子座の支配する8月2日で40歳になる独身の売れない作曲家ピエールは思いがけず伯母の莫大な遺産を相続できることを知る。ところが友人たちとその幸運を祝った後、彼は失踪。久々にパリに戻った友人のジャン=フランソワとその恋人ドミニクは、遺産相続の話がなくなり、夜逃げしたらしいピエールの身を案じる。一方、40歳の誕生日を迎えた文無しのピエールは、次第に浮浪者のようになっていく。だが8月22日、彼の運命は再び一変する。

パリ徘徊映画。パリ祭は、カルネとルノワールの映画で三回目だった(他にもあるよな、思い出せない)。ロメールは一番地味だったけど。40前まで定職につかず叔母の遺産を当てにして遊び呆けていたら、遺産はいとこに渡って一文もなし。友達もバカンスや出張でいなくなり、部屋を追い出されホテルにも住めずホームレスになる。

パリ祭を頂点に、どんどん落ちぶれていく姿の演出が上手い。ズボンに缶詰のシミをつけてしまったり、靴が途中でつま先が割れて、どんどんみすぼらしくなっていく。夏の蒸し暑さも今の時期と重なりそんな中で無精髭も伸びてくる。明るいパリの街とホームレスがたむろする裏側を見せる(サン・ジェルマンとセーヌ川)。そこで大道芸をやるホームレスに拾われてコントをやるのだが、フェリーニ『道』を連想する。ラストの俯瞰のパリの街を映し出す。

ちょっと感情移入してしまったけど、ラストがハッピエンドなんだよな。なんでだよ!ご都合主義じゃないか。ルンペン・プロレタリアートになる映画じゃないのかよ。バイオリンの曲が印象的。プロが弾いていたのかな?ゴダールも出ていたんだ。手持ち撮影とか市場の情景とかヌーヴェルヴァーグらしい映画。

レオス・カラックス『ポンヌフの恋人』は『獅子座』を元にしているのかもしれないな。ロメールのラストに不満で。

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