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これはTwitter社?

『アシスタント』(2019/アメリカ)監督キティ・グリーン 出演ジュリア・ガーナー/ マシュー・マクファディン/ マッケンジー・リー/ クリスティン・フロセス/ ノア・ロビンズ


2017年にハリウッドを発端に巻き起こった「#MeToo運動」を題材に、憧れの映画業界が抱える闇に気づいた新人アシスタントの姿を通し、多くの職場が抱える問題をあぶり出した社会派ドラマ。

「ジョンベネ殺害事件の謎」などのドキュメンタリー作家キティ・グリーンが初めて長編劇映画のメガホンをとり、数百件のリサーチとインタビューで得た膨大な量の実話をもとにフィクションとして完成させた。名門大学を卒業したジェーンは、映画プロデューサーを目指して有名エンタテインメント企業に就職する。業界の大物である会長のもとでジュニア・アシスタントとして働き始めたものの、職場ではハラスメントが常態化していた。チャンスを掴むためには会社にしがみついてキャリアを積むしかないと耐え続けるジェーンだったが、会長の許されない行為を知り、ついに立ちあがることを決意する。

映画会社というかIT企業のような映画で思い出したのがTwitter会社のイーロン・マスク買収後の写真だった。

そういう男社会の大企業なのである。女性アシスタントは雑用係と言った方が良い。コーヒーを入れたり食べ物を受け取って並べたり汚れた食器を洗ったり掃除したりする。一応会長のスケジュール管理が仕事なのだが、雑務もこなしている。そして、会長がやっている新人アシスタントの性行為を知ることになるのだが………。

結局泣き寝入りで終わってしまうのが消化不良なんだ。けっこうあるあると思ったのは謝罪文を書かされるときに自分の意見などなく、上司に指示通りに書かなければならない風潮みたいなものは以前勤めていた会社にもあった。なんていうかマニュアルが出来ていて、そうやって企業は成り立っているんだということを組合も認めている。ここではケア専門のスタッフがいるのだが、会社側の人間だから結局もみ消してしまって、その一部始終が会長にも上司にも筒抜けになっているので、結局その女性アシスタントは会社を辞めるか続けるかの選択をさせられることになって、金が欲しいのなら黙って働けということになる。

大企業の上辺の綺麗さの中に、例えば食事は粗末なファーストフードだったり、それが当たり前の大企業なのだが、普通に考えれば貧しい食生活だし、その上の長時間労働。まさに奴隷状態に相応しい資本主義社会は日本の会社組織にも言えることで、それがまだまだまかり通ってしまっているのだ。

先のTwitter社が今の先端大企業の姿だろう。こういう縦社会を崩していくのは横の繋がりだとは思うが、まだまだなんだと思ってしまうのは、その反動というかTwitter社のようなところが増えているのだと思う。


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