短歌レッスン91
写真は「日の出湧き水」。全部収まらなかったけど写真が目的ではないので(加工が面倒い)。ただ湧き水のように短歌が出てくるようにと願掛け(今気付いたのだけど)。ここの湧き水は飲めないそうです。生活用水として役にたっているのかな?
今日は腰痛だから短くパッパとすませたいものだが。
塚本邦雄短歌
今日から短冊は塚本邦雄先生になります。幻想短歌を目指すのならこの人の歌をじっくり取り組む必要がありそうだ。
まず最初からよくわからない歌が出てきてしまった。一つ一つの言葉はそれほど難しくもないが、関係性が今ひとつつかみにくいのかも。「炎天の河口にながれつくもの」というこの「もの」はなんでるかわからない。「待つ」とあるから何か重要なものだ。そして下の句では「偽ハムレット」が出てくる。ハムレットは「生きるべきか死ぬべきか」というような悩む青年の代名詞みたいな人だ。それを偽と言っている。「晴朗な」という言葉はアイロニーだと解説。戦後の日本人の若者全般の悩みかもしれない。何か期待しつつ待つだけということなのかも。現代の我々にも言えるかもしれない。
それと表現方法で、二句目が句跨りになっている。「河口にながれ」「くるものを」。流れがせき止められる感じですか。この句跨りが塚本邦雄の特徴らしいです。
模範十首
事実上の格下げになったけどまだ茂吉先生からは学ぶことが多そうなので暫くはまとめて「模範十首」で読んでみたいと思います。
蟻を殺したことはないとは言わないが、わざわざ幼子の前でやる必要があるのかと。実はこれは茂吉の教育なのではないかと。蟻のような奴は殺してもいいんだぞ、というような。けっこう動物殺しの歌が多いのは茂吉の特徴。
ヨーロッパに留学したときの歌です。茂吉は40歳だから相手はすべて半分以上も年下だと思われます。日本人だからちょっと馬鹿にされたのかもしれない。漱石はそれで神経症になってしまった。茂吉は違う性格のようです。その勇ましさが後の歌にも出てくる。
こんなことも短歌に読んでいるんですね。穂村弘の茂吉のおかしさというのはこういうことなのか?ただのおっさん短歌ですね。
朝日新聞の手配で始めて飛行機に乗ったときの短歌。他に歌人もいたのでそういう催しだったと思われます。茂吉はそのときに「虚空小吟」として、60首の短歌を読んだという。なんでも短歌にしてしまう姿勢は見習う必要があるかも。
中国視察のときの歌のようです。日本兵でしょうか?中国兵でしょうか?
これも日常の生活詠ですね。ほとんど今の時期は誰も体験しているような歌です。ただ茂吉が詠むと「けだもの」という不気味さに目が行くのです。
「コスモポリイ」は「コスモポリタン」ということでしょうか?茂吉はこういう外国語をよく使いたがる。それでいて国家主義的な歌なのだ。
「マルチリウム」は「殉死」ということだそうです。「マルクス五十周年」という注があり、弾圧が厳しい時代で小林多喜二が虐殺された年だそうです。「マルチリウム」というのはからかっているようにも読めます。
茂吉の短気な性格が伺えます。子供に対してまで「にくむ」とか。ひらがなで書いてあるから柔らかい表現だというのですが、ちょっとそれは違うと思う。子供が読んだら泣くよな。
弱い者に容赦ない茂吉先生です。茂吉の家に養子にやってきた力士で関脇・小結で活躍したという人気力士。引退間際は冷たくあしらわれて、こんな感じなんでしょうね。
「うたの日」お題。
「とんでもない」「内緒」「昭和/平成」まで。今日は出掛けるので、夜の部になります。
結果
♪2つにコメント一つ。♪は少ないなと思うがコメントが付くってことは少なくとも注意を引いたということで良しとする。『東京マッハ』で逆選も注目されたということで評価を得ている。でも座に投げ出したら解釈の問題なので反論すべきではないだろうけど、つい反論したくなってしまう性格だった。
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