見出し画像

カナダの天才ピアニストは二人いた

『オスカー・ピーターソン』(2020年製作/81分/G/カナダ)


ジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンの波乱万丈な人生と音楽にスポットを当てたドキュメンタリー。

陽気なキャラクターと幸福感に満ちたリズム&ハーモニー、明快で魅力的な音質と超絶技巧で人気を集め、日本でも「プリーズ・リクエスト」などの名盤の数々で知られるオスカー・ピーターソン。その順風満帆に見えた音楽人生には、長きにわたる差別との戦いがあった。1962年に彼が作曲した「自由への賛歌」は公民権運動を象徴する曲のひとつとなり、その音楽的・社会的影響は分断の続くアメリカで今なお響き渡っている。93年には脳梗塞を発症し、ピアニストとしては絶望的かと思われたが、懸命のリハビリで奇跡の復活を遂げ、2004年には来日も果たした。

映画では差別との闘いや病気と復活までの困難な道のり、家族愛について本人が語るインタビュー映像をはじめ、妻や娘による晩年についての貴重な証言も収録。さらにビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズらオスカーの音楽に影響を受けたミュージシャンたちがその魅力を語る。放送・配信のタイトルは「オスカー・ピーターソン ジャズ界の革命児」。

オスカー・ピーターソンがカナダ出身だとは知らなかった。カナダで天才ピアニストとしてアメリカでデビューしたという。「ジャズ界の革命児」はオーバーな表現だな。どちらかと言うと保守的なスタンダードを得意とするオーソリティ。テクニックは凄いというような。

オスカー・ピーターソンと言えばJATPのメンバーで日本に来た時に穐吉敏子を知ってアメリカでデビューさせたことで日本では有名だった。穐吉敏子のインタビューがあれば面白かったのにと思った。

日本ではテクニシャンだけどイマイチ人気がないのはカナダ人だったからか?。影響力という面でも上手すぎてワン・アンド・オンリーのピアニストだったということで、スタンダードはいいけどオリジナル曲がないと思っていたが、「自由への讃歌」というキング牧師に捧げた曲はオバマ大統領の就任式に歌われたとか。知らないことがけっこうあった(それほどファンでもなかった)。

それにしてもカナダでの人気は国民栄誉賞並にすごいと知った。カナダ出身の黒人ということで、重さよりは軽快さがあったのか?

オスカー・ピーターソン・ファンは面白いと思うが、いまいち演奏シーンが少なくて説明が多いドキュメンタリーだった。こういうドキュメンタリーはもっと演奏シーンを流してもらいたいと思ってしまう。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?