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日活ロマンポルノ時代の桃尻娘

『ピンクヒップガール 桃尻娘』(1978/日本)監督小原宏裕 出演竹田かほり 亜子

解説
対照的な性格の二人の女子大生(これは間違い!女子高生だ)が、アバンチュールを楽しむ姿を描く、小説現代の新人賞を受賞した橋本治原作の同題名小説の映画化。脚本は金子成人、監督は「修道女ルシア 辱す(けがす)」の小原宏裕、撮影は「さすらいの恋人 眩暈(めまい)」の森勝がそれぞれ担当。

映画.com

こっちが『桃尻娘』の第一弾の日活ロマンポルノだった。題名がそのまんまだった。それほどポルノっていう感じはしない。まあ普通に成人映画ではあるけど。榊原玲奈の方が生理が来ないで妊娠の心配をする回だった(最初に観た『桃尻娘 ラブアタック』とは逆パターン)。

裕子は、まだセックスを知らない純情娘として描かれるが一冬の家出で少女売春までするようになる。セックスに関してはドライな榊原玲奈は、原作通りか?ただ妊娠してもそれほど悩まない(悩んだふりはするが)のかとは思う。その辺が日本の女子高生なのか?
アン・ノン族(実際はそれより後で狩人の「あずさ2号」のヒット時なのだが)の出てきた頃の信州・金沢・京都旅行。そういえば寅さんでは竹下景子がそんな女子大生を演じていた。「桃尻娘」で『男はつらいよ』は観たかったな。案外合うかもしれない。

そういえば私も一人旅に金沢・京都と行ったことを思い出した。『桃尻娘』は五木寛之の本の影響なのだが、わたしは松本清張の小説だった。ただ松本清張のように時刻表を読めなかったので能登半島で一日に何本しかないバスに乗り遅れて京都に行ったのだった。あまりにも日本海が寂しすぎて人恋しくなったのだ。京都はジャズ喫茶めぐりで、ジャズだけあれば生きていけると思っていた頃だから。

女子高生の一人旅はほぼ家出同然なのだが、そこが観光目的のアンノン族とは違っていた。でもこのへんは日活ロマンポルノよりもロードムービーとして観れる映画だった。
ヤクザの男は内田裕也だった。ヤクザの男が出所して妻と子連れで帰ってくるのに玲奈が同じ電車に乗り合わせるのだ。そして、妻は売春婦だったというストーリー。内田裕也演じるヤクザがまたムショに入ったので、生活のために売春婦をしなければならないという。その辺があの時代ならではの思考なんだろうなとは思う。生活のための売春を肯定してしまう。今だったらもっと悲劇的(ネガティブ)な感情になるだろう。そのへんが日活ロマンポルノだった。


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