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源氏物語

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源氏物語の感想など。与謝野晶子訳Kindleから。
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#与謝野晶子訳

現実の枕落とし

『源氏物語 56 夢の浮橋』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 最後はあっけない幕切れ。まあこれ…

やどかり
1年前
4

浮舟、寂聴さんになる

『源氏物語 55 手習 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 浮舟が生きていたとは出来すぎ。小説…

やどかり
1年前
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人形(ひとがた)としての浮舟

『源氏物語 53 浮舟』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 52帖の『東屋』で重要なことを書き忘…

やどかり
1年前
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弁の尼は幻術士だったのか?注目すべき噂の人がいよいよ登場か?

『源氏物語 51 宿り木』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) まだ六の君の全貌が明らかにならな…

やどかり
1年前
3

尼になった弁は、中の君の存在を希薄にする

『源氏物語 50 早蕨』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 「早蕨」の題名は、冒頭から阿闍梨が…

やどかり
1年前
5

弁の弁解を紫式部は聞くわけがない

『源氏物語 49 総角』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 「総角」という題は、古今集の紀貫之の…

やどかり
1年前
2

薫は「燃あがる緑の木」だった

『源氏物語 48 椎が本』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 「椎本(しいがもと)」の題名の由来は、薫(中納言)が八の宮を偲んで詠った歌から来ている。 椎の木は大木になるので、その根本で休みながら回想するのだが、これは八の宮だけではなく、「柏木」も回想したものと思われる。『源氏物語』は姫たちは花の名前が多いが、男君は木の名前なのかと思ったが、「柏木」ぐらいしか思いつかないが「薫」が「柏木」の姿を受け継いだ「椎本」ではないかと考えた。この情景どこかで想い出すな、と思った

橋姫の霊が夕霧を迷わせた?

『源氏物語 47 橋姫 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) ここからラストまでが「宇治十帖」と…

やどかり
1年前
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あの人は今の玉鬘

『源氏物語 46 竹河 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 玉鬘は「玉鬘十帖」があるように光源…

やどかり
1年前
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光源氏の孫の代は家系図が複雑すぎて

『源氏物語 45 紅梅』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 按察使大納言(紅梅大納言と呼ばれた…

やどかり
1年前
2

匂い爭い

『源氏物語 44 匂宮』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 最初に光源氏を継ぐような美しい者は…

やどかり
1年前
4

歌で存在感を示す晶子あっぱれ!

『源氏物語 43 雲隠れ』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) この短歌のみの章。紫式部の方は題…

やどかり
1年前
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幻想文学の集大成的な

『源氏物語 42 まぼろし 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 紫の上が亡くなってからの追悼特…

やどかり
1年前
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紫の上死す

『源氏物語 41 御法』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 光源氏によって美の権現として育てられた紫の上だったがそれまでの印象はそれほどなかったように思える。最初の若紫の登場はまだ幼子であったし、ヒロインとしても他の姫の陰に回っていたような。ただこの帖はさすがにメインであるから描写にも力が入っている。美の完成形としての死というような紫の上である。 それはタイトルの「御法(みのり)」も仏教用語であり、光源氏が出家を望まないから法華経(最も尊い仏典)の千部供養をすることに