尼になった弁は、中の君の存在を希薄にする
『源氏物語 50 早蕨』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版)
「早蕨」の題名は、冒頭から阿闍梨が山菜を中の君に送ってきた和歌のやり取りからである
たいして重要な歌にも思えないが匂宮の手紙が見事な字で香りも素晴らしいものだったのに、こちらは字も下手で田舎の野草なのである。ただ後に京(宮中)に行く命運にある中の君には宇治(故郷)の想いを残していく伏線にもなっている。
薫は中の君を上京の使命のために宇治に来ていたが大君のことが忘れられず、さらに中の君が大君に似てくるので、匂