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源氏物語

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源氏物語の感想など。与謝野晶子訳Kindleから。
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2023年2月の記事一覧

推しは明石の君か源典侍か?

『源氏物語 上 』(翻訳)角田光代(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集04) 感想 読みやすいとい…

やどかり
1年前
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鶯にはなれない夕霧は時鳥(ほととぎす)か?

『源氏物語 21 乙女』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 朝活、源氏風呂。今日は『少女(乙女…

やどかり
1年前
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都合のいい女にはならない姫たち

『源氏物語 20 朝顔 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 『源氏物語』を読むのが朝活になって…

やどかり
1年前
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光源氏の恋と母たちの罪業

『源氏物語 19 薄雲』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) いつしか光源氏と恋を楽しむ物語から…

やどかり
1年前
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明石の君の琴の音色を聴け

『源氏物語 18 松風 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 『源氏物語』は五感に訴えるところが…

やどかり
1年前
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親の争いに子供は知らんふり

『源氏物語 17 絵合』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 源氏物語が文字だけではなく絵物語と…

やどかり
1年前
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神がかり的展開

『源氏物語 13 明石』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 『千年の恋 ひかる源氏物語』で入道を演じたのは竹中直人でその胡散臭さがよく合っていたのだが明石の君は細川ふみえだったんだな。こっちはあまり印象になかった。 またYou Tubeで与謝野晶子『源氏物語』があるので読むのは面倒な人はこれを聴くと良いと思う。ただ朗読は結構集中力がいるので読むほうが早いかもしれない。 「須磨」から雰囲気が大きく変わるのかと思ったらあっさり政界復帰になっている。その間に天変地異や右大

空蝉、逢坂の関の巻

『源氏物語 16 関屋(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 光源氏を袖にした女は不幸になるという…

やどかり
1年前
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顔のことを言わなければ理想のお姫様なのだ。

『源氏物語 15 蓬生 』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) 「末摘花」のスピン・オフ的な話だが…

やどかり
1年前
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住吉大社は縁結びの神?

『源氏物語 14 澪標』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 「澪標(みおつくし)」とは舟の航路…

やどかり
1年前
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光源氏は手紙魔の大王だった

『源氏物語 12 須磨』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) これまで光源氏の恋愛物語がメインか…

やどかり
1年前
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花散里というより橘の香

『源氏物語 11 花散里』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版) 『源氏物語』で一番短い帖だという…

やどかり
1年前
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角田訳では「賢木」となっていた

『源氏物語 10 榊』(翻訳)与謝野晶子(Kindle版) これまで脇役はおろか怨霊までにされてき…

やどかり
1年前
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光源氏の負のパワーはなんなんだろうか?

『源氏物語 09 葵 』(翻訳)与謝野晶子Kindle版 怨念にまつわる巻だ。その怨念の源は光源氏にある。それを描いているが紫式部であるのなら何故それほど光源氏に怨念をまとわせているのか?ルサンチマンとも言っていいような。その悲劇性に女性たちは涙をしカタルシスを得るのだ。一つは母性に対してではないかと思うのだ。もともと光源氏の生まれが母性を喪失状態で生まれてきた。この物語で特に悲しむのは母親だった。彼女らは家の中に据え置かれている状態であり、ただ男の欲望を受け入れてきたのだ