見出し画像

SNSは売上に結びつくのか?

お客さまから、こんな質問をいただくことがあります。

「とりあえずSNSを始めてみたものの、あまり売上にむすびつかない。
このまま継続していくべきか迷っている」というものです。

これ結局ケースバイケースで、明確な回答はないように思います。

しかし、そう言っては話が終わってしまいますので、私がお手伝いしてきた事例をご紹介します。

事例のご紹介

①【フォロワー1000名】のドレスショップの場合

クライアント様は、非常にニッチのドレスショップです。
6ヶ月限定で「アカウントの立上げから、週2~3回の投稿」をお手伝いしました。

商品であるドレスの定期的な紹介や、ブランドの紹介をする投稿を定期的に。また施設に併設しているレンタルスペースの紹介も行いました。

フォロワー300名の時点で、初めて店舗へ来店客がありました。「SNSをフォローいただいた方から、ご来店いただいたよ」とクライアント様からお知らせいただいた事を覚えています。

レンタルスペースを活用したい人が多数。施設併設のスペースを貸し出しているのですが、そのお問い合わせがSNS上でも非常に多いようです。実際の契約にも複数件結びついたとのことでした。

またSNSからHPへの流入も多く、検索順位も向上するという副次的な効果も見られました。

クライアント様の業態はかなりニッチで、ローカルなビジネスです。しかし、たとえ小規模であってもSNSでの取り組みは、しっかり売上に繋がることも確かです。

②【フォロワー1000名】地方の日本人形販売店様の場合

とある地方で50年以上の歴史をもつ老舗です。アカウント立上げ時の戦略・企画面でお手伝いさせていただきました。

フォロワー200名くらいで海外のお客様から問い合わせ。
SNSは世界中の人が閲覧できるコンテンツです。伝統的な日本人形は、海外の人からも非常に興味深いようで、定期的に問い合わせメッセージがくるようになりました。

人形シーズンになるとお問い合わせ多数
また雛祭りやこどもの日など、シーズンになると、他県からも多数のお問い合わせを頂くこととなりました。

こういった歴史ある販売店がSNSをやっている珍しさも相まって、ご覧いただく方が多いようです。

斜陽業界ではあるものの、地方にはまだこういった産業のマーケットがあるのだと改めて感じられました。

③【フォロワー5000名】シューズケアブランド

自社製造も行う、シューズケア用品ブランドです。
ECショップへの流入をねらい、アカウント運営・投稿やコンテンツの企画・作成をお手伝いさせていただきました。

フォロワー500名ほどで、オンラインショップに反響あり
コンテンツとしては、商品の紹介・シューズケアのやり方などを動画で投稿していきました。フォロワーが増加していくと同時に、少しづつオンラインショップへ反響が見られました。

フォロワー2000名くらいで、SNSでの広告を活用し、フォロワーが4000名へ増加。オンラインの売上もSNS経由で一気に増加しました。

④【フォロワー2000名】toBの広告代理店

地方の中小規模の広告代理店様です。
アカウントの運営を代行しておこないました。
toBのビジネスの場合、SNSからの問い合わせは殆どありません。というか全く期待しておりませんでした。

toBの場合は、とにかく企業アカウントとSNS上で交流を深め、「中の人同士」で繋がることに注力すべきです。

SNS上でフォロワー2000名以上の企業アカウントは10%以下だそうです。フォロワー2000名を達成できれば、その地域コミュニティ内では、顔馴染みになっていくはずです。

また意外と知られていませんが、「中の人」同士のオフ会?的なイベントは、たくさん開催されています。

そこに積極的に参加していければ、企業同士の新しい取引につながっていきます。

自社メディアは、意外と見られている

というわけで、下記がまとめです。

①基本的に経営に影響を与える売上施策にはならない
②toC事業は、認知策として有効。自社コンテンツへ流入させる。
③toB事業は、いかに担当者同士の人の輪を広げるか

企業のオウンドメディア(ブログやSNS)は、売上として効果が見えないことがネックです。ですから業績が悪化したときに真っ先に切られます苦笑

日本ハムが「BBQ GO」という自社サイトを運営していました。このサイトは、BBQ活動を促進するため、全国のBBQ場を紹介するもので、検索でも常時No.1を獲得していました。

発足は(たしか)2017年頃でしたが、コロナ禍での混迷により、真っ先に運営が中止されました。

定期的に記事コンテンツを発信しており、外注費が固定費として問題視されたのだと思います。

ですが、多くの人から「いつも見ているよ」と声を掛けられることもあり、体感値としては、「意外と見られているな」とも感じます。

その上で「固定費をかけないこと」「投稿を継続すること」「嫌味なく自社サービスを紹介すること」がSNSにおいては、重要かなと思います。

コミュニケーションが重要

これは意外なことかもしれませんが、SNSではコミュニケーション能力も重要です。

よく「若いから」といってSNS運用を任された社員が、ややオタク的な人物で、自分の趣味や思想をぶちまけてしまい、炎上している事例をたくさん見かけます。

SNSとはいっても、あくまで相互のコミュニケーションスキルが問われます。過剰な自己アピールや営業活動は、リアルな世界同様、非常にきらわれます。

担当者を選ばれる際は、担当者の資質がとても大事だということも、付け加えておきます。

以上、参考になれば嬉しいです。