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青砥 十 /羽二重 もちこ
2021年6月16日 22:00
開架小学校三年、町の書道教室に通っている娘のふみは、生まれる時代が違えば、空海(くうかい)、橘逸勢(たちばなのはやなり)、嵯峨天皇(さがてんのう)の「三筆」に並ぶほどの人物にだってなれただろう。幼稚園の頃から漢字の覚えは人一倍早くて、書道教室に通うなり飛び抜けた才能を発揮し、文部科学大臣賞を受賞するほどの上級者だった。通っている書道教室でも初めての快挙で、書家の先生が腰を抜かして寝込んでしま