朱城碧音🧭🦋

歌とことばを綴るV|何処かで聞いた話や体験など綴ります。 ※連載中のマガジン「幕間話」…

朱城碧音🧭🦋

歌とことばを綴るV|何処かで聞いた話や体験など綴ります。 ※連載中のマガジン「幕間話」はフィクションです※ その他Profile📝 https://lit.link/akeshiroaoto

マガジン

  • 幕間話|朱城碧音とものがたり

    朱城碧音(あけしろあおと)にまつわる「物語」をまとめています。 聞いた話から実際に体験した話まで。少しずつおすそ分けします。 YouTube等に投稿している楽曲と一緒に楽しむことも出来るかも。 ※このマガジン内の物語はフィクションです。

  • 碧ノ手帖

    碧音の日記や覚書、その他いろんな記憶などを詰め込みます。

記事一覧

幕間話001_玉座の花(前編)

ーーだから、わたし嫌いなの。 雨の合間を縫ってそのような声が、耳を掠めた。 足を止めて辺りを見渡すが、ここにあるのは、古びた玉座と石畳の両側を覆うような花ばかり…

幕間話_前書「雨音の話」

それはここ、トーキョーの向こう側。 様々な時間と世界が一度に交差するような、拠点となる場所がある。 ある特定の電車で霧のかかったトンネルを抜けると、見えてくるのは…

幕間話001_玉座の花(前編)

幕間話001_玉座の花(前編)

ーーだから、わたし嫌いなの。

雨の合間を縫ってそのような声が、耳を掠めた。
足を止めて辺りを見渡すが、ここにあるのは、古びた玉座と石畳の両側を覆うような花ばかりだ。人っ子など、今先ほど此処に辿り着いた私以外誰もいない。

かと言って、その〝声〟というやつは、私が空に放ったものでもない。
気付きなさい、と言うかのように、今度は背後から風が強く吹きつけた。

「……っ!」
思わず強く瞑った後、目を開

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幕間話_前書「雨音の話」

幕間話_前書「雨音の話」

それはここ、トーキョーの向こう側。
様々な時間と世界が一度に交差するような、拠点となる場所がある。
ある特定の電車で霧のかかったトンネルを抜けると、見えてくるのは大きな電波塔。

言葉を蓄えて燃料とし、電力の供給と地域の発展を繰り返した街の象徴。それが目に入ったのなら、もう終点まで3分もかからない。

言葉とともに生きる街ーーアカシア区はすぐそこである。

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