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つながる

最近大学時代からの親友の薦めで、安冨歩氏という存在を知った。

たくさんの書籍を出版されておられ、どれも興味深いが入手困難で、かつ今の私には到底理解できないであろう難しそうなものもが多かったため、先ずはすぐに手に入り、読みやすそうな2冊を購入した。

そのうちの1つ、「生きる技法」を読みながら帰省した日、決して多くはない父の本棚に「ありのままの私」があった。聞くともうずいぶんと前からそこにあるという。

東本願寺出版の月刊誌「同朋」に掲載されていた、藤場芳子氏との対談記事を読み、興味惹かれて購入したとの事だ。


母は浄土真宗のお寺の生まれで、父も元々その信徒であり、家の本棚には様々な「歎異抄」がある。私は今回の帰省で、そのいずれかを借りる事を目的にしていたのだが、まさか安冨氏の本に実家で出会うとは思ってもみなかった。

なお、幼い頃から浄土真宗という宗教が身近にありながら何も興味も示さずに来た私が、「歎異抄」を手に取ろうと思ったのは、安冨氏という存在を知った影響だ。

父は沢山ある月刊誌「同朋」のストックから、該当する2016年のそれを引っ張り出して私に見せ「おもしろいで」と言った。

私はそれを開き、対談記事を読んだ。

「何か自分ではないものになろうとする努力こそが自分を苦しめていること」という一文に黄色の蛍光ペンでラインが引かれていた。

父も自分ではない何かになろうと努力して苦しんだ事があったのだろうか。


娘が急に「歎異抄」を貸して欲しいと言い出した事が嬉しかったのか、「DVDもあるで」「1本だけでも見て帰ったら?」と前のめりで薦めてきたがそこは一旦遠慮しておいた。

「ありのままの私」と「歎異抄」を鞄に詰め、実家を後にした。

まだ「生きる技法」が途中なので、「ありのままの私」は読んでいないが楽しみだ。何せこの本の写真は素敵だ。

それにしても思わぬ点と点がつながって、不思議な一日だった。


#日記 , #エッセイ , #安冨歩 , #ありのままの私 ,

#歎異抄 , #生きる技法








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