見出し画像

私のパートナーは面白い

私には18歳年上のパートナーがいる。彼はかなり面白い。もう10年パートナーだが、私たちは一緒に暮らしていない。彼はとっくの昔からご隠居の身、私は英語のできない3人の子持ちで更に自営業。ミニマリストでシンプルな生活が好きな彼には、私の生活は複雑すぎた。更に私にとっての優先順位は子供たちが幸せで独り立ちできるようにサポートすることが一番、私の健康や仕事が二番、そしてパートナーが三番となる。これは変えられない事実だった。彼もそれはよく理解してくれていて、よく我慢してくれていたと思う。

ところで、そのミニマリストでシンプリストなパートナーは面白いところが沢山ある。今日はそのうちの一つを。

この間誕生日だった私に誕生日プレゼントを買ったので、取りに来てほしいと言う。彼は、実は誕生日もクリスマスも祝わない。毎日を感謝して祝いたいからと言ってはいるが、実は面倒なだけではないかと思っている。そんな彼が私の誕生日プレゼントを用意したという。凄い! でも、多分自分のショッピングに行ったときについでに見つけただけだと思った。で、その通りだった。それを素直に言ってしまうのが私のパートナー。悪気はない。

私は素直に嬉しいとも思ったのだが、一抹の不安。何を買ったんだ.... 一言言っておくべきだった....

と言うのは以前こんな事があったから。
上の写真の3つのフードのついたトレーナー。実は全部で4枚持っていた。メリノウールで質はとても良い。お値段もそこそこする。でもだからと言って4枚持っている人はなかなかいないと思う。1枚は人にあげた。何があったかと言うと、それは雨の時期に差し掛かった4月の事だった。ショッピングが苦手な彼がウォーキング用のレインジャケットが欲しいので一緒に行ってほしいと頼んできた。その時のお店でこのトレーナーを見つけ、とても気に入ったので買おうとしたらプレゼントしてくれたのだ。凄くうれしかった。

そして5月の母の日。彼が君は母として本当によく頑張っているから、と言って色違いのこのトレーナーをプレゼントしてくれた。とても嬉しかった。

そして次の週は私の誕生日。なんと、一枚目と同じ色のトレーナをプレゼントしてくれたのだ。凄く喜んでくれたから、また喜んで欲しかったと言うのが理由。彼はショッピングを殆どしない人なので、頑張ってくれたのが嬉しかった。

そして6月のミッドウィンタービックセールの時期電話がかかってきた。「君の好きなトレーナーのピンクを見つけたよ!」嬉しそうに言うパートナー。ありがとうね、でもピンクは着ないからいらないよ。と言ったら、そう思ったから電話してみたとのこと。ほっとした....

ところが、その言い方がまずかったと後で気が付いた。しかし既に後の祭り....6か月後のクリスマス。「今日は君にクリスマスプレゼントがあるんだ~!」と嬉しそうに。そして手に持っていたのは、なんと2枚目にくれたトレーナーと同じものだった....

本当に参った....はっきり言わないと喜んだ私の笑顔だけが心に残って、売っている限り永遠に買ってくることがようやく理解できた。笑いが止まらなかったけれど、まじめな顔で言わないと通じないかもしれないと思い、真剣な目で言った。十分に頂いたので、もうこのトレーナーはこれ以上要りません。

それからは、また今までの様に特にプレゼントはなかった。そして今回の電話でプレゼントを取りに来るようにとのこと。一瞬どきっとしたのだが、頂いたものはダウンベストだった。丈も長めで色もなんだかちょっと....なのだけど、自分の買い物のついでであったにせよ、私のことを考えて時間を使ってくれたのが嬉しかった。何故この(私には似合いそうもない)色を選んだの?と聞いたら、「君は木が好きだから、緑が好きだから」と返ってきた。

まずい.... これからは緑だらけになるのだろうか… 私のパートナーは本当に面白い。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?