漫才:ドラマのオチ
青瓜:僕、新しいバイトを始めたんですよ、
それがホント割が良くて。スキマ時間でできるし。
ジデ:それは良かったね。
青瓜:君は何か最近始めたこととかありますか?
ジデ:始めたわけじゃないけどさ、
何かふと2時間ドラマを見ていたんだよ。
青瓜:おっ、楽しそうな感じじゃないですか。
ジデ:物語は最高に面白かったんだけど、
最後のコメディオチみたいなの、何なの?
青瓜:と、言うと?
ジデ:事件が解決したあとに、
何かアフタートークみたいなオチあるじゃん。
あれが最高につまんなくて。
青瓜:その2時間ドラマはどういうオチだったんですか?
ジデ:いや何か、
被害者家族の女性を励ますために
食事に誘おうとした主人公のおじさんが、
周りの女性たちに気付かれて
「食事に誘うなんてスケベオヤジ!」みたいに言われるオチ。
青瓜:その主人公のおじさんが「下心は無いよ!」とか言うヤツですか?
ジデ:そうそう、同じの見てた?
青瓜:まさにそれ僕のバイトですよ。
ジデ:……スケベオヤジって言われるバイト?
青瓜:そうじゃなくて、ドラマのコメディオチを書くバイトです。
ジデ:ドラマのコメディオチを書くバイトぉっ?
青瓜:そうそう、ドラマのコメディオチって面白くないですよね?
ジデ:うん、何かとってつけたようでクソつまんないよ。
青瓜:それって、コメディオチだけ作る人がいるからなんです。
ジデ:嘘だろっ? じゃあそれ専用で作る人がいるなら面白くあれよ!
青瓜:いやあえてつまんなくすることにより、
余韻が事件解決のほうを向くんです。
ジデ:じゃあコメディオチいらないじゃん!
青瓜:あれが無いと締まらないんです。
ジデ:そうかなぁっ? 無くてもいけると思うけど。
青瓜:いやあれが無いと、
急に物語が終わった感じになって、損した気分になるんです。
ジデ:う~ん、あんまり納得はいかないけどなぁ。
青瓜:ちなみにそのオチ、僕が書きました。
ジデ:オマエ、クソつまんねぇな!
青瓜:全然前後の事件の脚本知らないまま書いてます。
ジデ:だろうな! 相当重厚な事件だったのに急にスケベオヤジて!
青瓜:でもあれなんですよ、
スケベオチでお願いします、とは指定されたんですよ。
ジデ:じゃあしょうがねぇなぁ! そんな指定があるんならよぉ!
青瓜:やっぱりテレビ関係者って基本スケベなんで、
スケベオチ好きなんですよ。
ジデ:でも指定するなら
外注するなよとも思うけどもな、自分で書けよって。
青瓜:とにかく批判されたくないんですよ、中の人は。
ジデ:そう言われると、それは納得しちゃうな。
青瓜:あと飲食店でお金が足りないオチですね。
ジデ:それロバートの秋山がどこかで言っていたわ。
2時間ドラマのオチって大体お金が足りないボケだって。
青瓜:スケベなお店でお金が足りないって書いたら、
それは違うって言われました。
ジデ:それは違うだろうなぁ。
青瓜:まあ指定があるので、それに合わせて書くといった感じですね。
ジデ:それってそのまま本編の脚本家が書けるもんじゃないの?
青瓜:それだと面白くなっちゃうじゃないですか。
ジデ:あぁ、そうか、だからつまんないヤツが雇われるわけか。
青瓜:そうです。
ジデ:いや!
相方がテレビ関係者公認の面白くないヤツって嫌だよ!