見出し画像

単調な美しさを愛せるのであれば道南を走れ #1【2020.09-10 函館サイクリングトリップ】

・導入と道南は踏韻的である

駅は旧市街から離れた場所に作られる事が多い。函館も同様で、新幹線駅の新函館北斗はさらにそれが顕著だ。前者はその街の郊外に、後者は農地の只中に存在している

函館という街とその周囲に対する個人的な結論は「陸続きというだけで道南を北海道観光の旅程に組み込むのか」というものに尽きる。実際にそうなのだが、陸の孤島だ

本州の対岸を思わせつつも北海道らしい雰囲気を覗かせる土地だが、ロジスティクスの面から見れば、青森旅行の一部に組み込むのが良いように思う

仕事がら休みの自由度が高い事もあり、9月から10月にかけて(日本人的な感覚であるところの)夏休みと呼べる長さの連休を設けた。雑ではあるがデータを重視する方なので、過去数年間の9月末~10月初頭の国内の天気と気温を調べ、この時期に秋の片鱗を感じる事が出来そうな場所を選んだ

秋めいた伸びやかなサイクリング

これを行う為に道南を選んだのだ。信号が少ない事と、住まいからのロジスティクスによる消去法によって最終的な決定は為された

タイトルはすぐに回収されるのだが、道南を自転車で走る事の良さは(繰り返しになるが)信号の少なさと、単調に思えるほどに連綿と続く美しさでその殆どを語る事が出来る。その竜の画に睛を点ずるのはラッキーピエロの存在であり、それに関しては後述する事となる

5,5,41,67,83,227,228,278,970

これは道南の主な国道と道道のナンバリングだ(ほかにも幾つかあるのだが)

概ねこれらを方角別に組み合わせてルートを引くことになり、それ以外の選択肢は(並走する道は一部あるが)あまり多くない。その全てが自動車の為の道路で、道端に行くほどに路面は荒れているのだが、運転は荒れていないように思えた。どの方角も、コンビニがある規模の町を目的地にする周回を取ると、そのルートの距離は函館を起点に概ね100㎞~200㎞程度になる


文化度を特定のチェーン店の存在で測る

ローカルのサイクリングスポットであるところの荒川CRには、個人的なカフェサイクリングの最高峰となる拠点があったのだが今は存在せず、「無い袖は振れない」の思想の元に、無期限でカフェとサイクリングの袂を分かっている

規模の大小に関わらず。本州に於ける近代的な生活圏の基準は「その都市にドトールコーヒーがあるか否か」で分類できると思っているのだが、道南に於ける基準はラッキーピエロが相応しく感じた

カフェサイクリングの最高峰とカルデラ(国道227号→道道67号→国道5号)

・そのピエロ、温厚につき

道南の旅程に於ける食の楽しみの比重はそのローカルファストフードチェーンにあったのだが、それはカフェサイクリングの為に存在するような内容だった。函館郊外から伸びる国道227号を西に向かうと江差という町があり、そこにもピエロは居を構えている

画像3

画像4

画像1

画像7

結果的にだが、これが数日間の滞在で最も美味しく美しいカフェブレイクだった、道南を走るのであれば一度は江差を目指し、ラッキーピエロへ至るべきである

画像2

【包装紙があっては伝わる物も伝わらないのだ】

画像5

【カフェサイクリングとはオープンテラスでの行為全般を指すのだ】

・小さなカルデラ

道道67号から落部を経て濁川のカルデラへ至った、地熱発電と温泉の湧く窪地だ。「巨大だが、その全容を見渡せる」事に気持ちよさを感じるところがあって、国際展示場や象などが例として挙げられるのだが、この濁川のカルデラもその一つに加わった。自覚はあるのだが、時々こういった幻覚めいた事を言うところがある

画像7

【走ってて楽しいのですが、北海道らしさは薄いのでは…】

画像8

画像10

【窪地の淵からカルデラの内部を望む】

画像11

【カルデラ内部に敷設された、蒸気を発電所に送るパイプラインです】

当然ながらカルデラは窪地なので、気軽にアクセスしようと思うと結構な距離を登坂する事となるので、その点は留意した方が良い

・それは失敗ではなく、取捨選択の結果である

その後は国道5号を函館方面に向けて走る事となる。森川町の南で駒ヶ岳寄りの道を経て大沼に至るつもりだったが、左折を失念してしまった。単調な路程の代わりにその日2回目のラッキーピエロに寄る事が出来たので結果的に良かったのだが、人生に於いて全てを手に入れる事は出来ないという事実に直面したような気持になり、やや感傷的になった(なっていない)

画像11

【質感です】

画像12

画像13

【輪行袋はハンドルバーに(適当に)付けるのが良い気がしています】

画像14

【ラキポテ=フライドポテト+ホワイトソース+ミートソースの公式が成り立つ、うんまい】

画像15

【国道5号から垣間見える日没の大沼です、曇りに見えますが薄暮の頃】

・一部の道は函館に通ず

函館で3回目のラッキーピエロを済ませて、床に就いた。吾輩は猫である、函館で魚介はまだ食べていない

画像16

【疲れると生ものとか食べるのちょっと辛くないですかね】

画像17

【お気付きかも知れませんが、ラキポテをかなり気に入っています】

#2へ続く




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?