世界に一人ぼっち
珍しく好きな音楽の話なんかをしたいと思う。
先に言っておくが、僕は音楽知識なんて何一つないから技術的な解説は何も言えないのであしからず。
【Suck a Stew Dry】というバンドをご存知だろうか。
僕が高校生の頃に出会ったバンドだ。彼らの曲は憂鬱な気持ちやネガティブな思考なんかを歌った歌詞が多い。日本語での歌詞はよりそれが伝わりやすく、共感して聴いている若者も多かったのではないか。
彼らの曲に『世界に一人ぼっち』という曲がある。
どうにも僕はこの曲を初めて聴いた時から心を奪われてしまった。最後にリンクも載せたので良かったら聴いてみてほしい。
イントロから広がったメロディはなんだかクリスマスソングを彷彿とさせ、そこから始まるバンドらしい楽器の音はとてもかっこよかった。Bメロから盛り上がって「泣いた」の静寂から始まるサビも大好きだった。かっこいいのに優しくて、この上なく贅沢な時間をこの曲を聴いている時間は過ごしていた。
力強い楽器の音は肯定して見守ってくれていて、励ましより寄り添ってくれる安心感がこの曲にはある。
初めて僕は楽曲にファンアートを描いた。
小さなクロッキー帳に一生懸命描いていたことを思い出す。紫色のペンでなんとなくボーカルを意識して、上半身を下に、足を画面上から出すという少し不思議な構成の絵を描いた。一人ぼっちという周りとのズレをその形で表現したかったのだろう。差をつけたくて後ろの人達は鉛筆で描いている。背景というものを意識したのはこの絵が初めてかもしれない。
6年後、iPhoneのアプリで色を付けるようになった頃、僕は再びこの曲のファンアートを描いた。部分部分に違いはあれど、6年前と同じ構図でイラストを描いたのだ。線の綺麗さ、背景の配置、進歩した部分は多くよりこの曲をもっと表現できた気がして嬉しかった。
更に3年後、僕のYouTubeのオススメに唐突に『世界に一人ぼっち』のMVが表示されたのだ。正直長く忘れてしまっていた。まるで旧友にあったような気持ちになり、僕は動画を再生した。
歌詞をみなくても、僕はずいぶんと若いボーカルと一緒にこの曲を歌いきった。「やっぱりいいなぁ」なんて呟いて、ちょっとだけ泣きそうになった。
今ならもっと描けるだろうか。
僕の手はあの頃と同じ構図で人を描いた。あの頃より丁寧に、あの頃のように楽しく、あの頃無かった気持ちを持って。
2013年に出会った曲は、
2019年により好きになって、
2022年の終わりにもっと大切な曲になった。
そして2023年の始まりにこの絵を描いたのだ。
今年も始められそうだ。
すっかり解散してしまったものと思っていたSuck a Stew Dryは、名前を改め現在は『THURDSDAY'S YOUTH』という名前で活動をされているらしい。より穏やかな曲が多くなっているようだ。彼らのこれから奏でる音楽が、僕にとっての「世界に一人ぼっち」のように、誰かに届くように応援したい。
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