本当に「ある」ものって何だろう
さあ,今日は何の話をしようか?
理科の話でいいかな? よし,じゃあいくよ!
昨日はどんなはなしだったかと言うと・・・
そうそう,パルメニデスの「ある,そして,ないはない」というおはなしだったね。
えっ,全然わかんなかったって?
ごめんごめん,パパも全部わかっているわけじゃないんだ。
でも,わからないことについて,たぶんこういうことなんじゃないかな〜?って,いろいろと考えるの,楽しくない?
あーでもない,こーでもない,と話し合うことが,何だか楽しいんだよね。
こんなはなし,学校のお友達と,しないでしょう?
うんうん,そうだよね。
こんな理科のはなしは,小学校では習わない。
そうだよ,理科を習っている5年生や6年生も,パルメニデスのことなんて知らないんだ。
もちろん,中学校でも高校でも習わないんだ。
つまり,君とパパの間だけの,秘密のはなしなんだ。
それじゃぁ,今日の本題に入ろうか。
「何もない」はあり得ない。
そして,「ある」はある。
えっ,何があるの?何がないの?って?
そうだねえ,確かに主語がないね。
パルメニデスがどう考えていたのか,パパもわからないんだけれど,
たぶん彼は「本当にあると言えるものは一体何だろう?」と考えていたんじゃないかなぁ?
例えば今日,梨を食べたよね。
おいしかったよねぇ?
うんうん。そうだねぇ。
では問題です。梨は本当にあるのでしょうか?
うんうん。「ある」と答えると不正解になりそう,だから「ない」かぁ。
なかなか良い推測だね!
確かに梨は目の前に「ある」。
でも食べたら無くなるよね。君の口の中に入って,最後はうんちに変わっちゃう。
食べなくっても,台所に置きっぱなしにしていたら,そのうち腐ってなくなっちゃう。
そうすると,これは「ある」が「ない」になってしまうよね。
あれ?あるがないに変わるっておかしくない?
あるはある,ないはない,なんだからね。
だから,梨は「本当にある」のではなくて,今だけ「ある」ように見える幻みたいなもの,ということになる。
すると,この世界全体も,幻のような,夢のようなものに思えてくる。
例えば,今,君とパパはこうしておはなしをしているけれど,もしかしたらこれは全部夢の中の世界の出来事かもしれない。
え?夢は嫌だ?そうだね,パパも夢であってほしくないよ。
でも,もし夢だったら,悲しいね。朝,起きたら,今までの話が全部夢で,パパは実はいなかった・・・とか。
・・・ごめんごめん,そんな悲しそうな顔をしなくてもいいよ。例えばの話だからね。
大丈夫,パパはいつもそばにいるから。
うんうん,そうか。
うん,ありがとう。
・・・・
・・・・
あ,寝ちゃったみたい。
今日の話はずいぶん長くなっちゃったかな。
また,続きのおはなしをしようね。おやすみなさい。
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