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極私的バリ島ブックマーク ーごはん編ー

2000年代初頭よりバリ島に通いはじめてから20年。
バリに行くという友人知人にオススメの場所や店をリストにしてメールで送りつけてはドン引きされていたテキスト。
加筆修正し続けて、気づけばかなり長大な一大叙事詩のよう。
バリへ旅する人に役立つよう、ここに公開してお焚き上げします。
今回は実際に行っておいしかったごはん屋をご紹介。

※2023年3月現在の情報です。
※訪れる地域がほぼウブドとサヌール、もしくはローカルな村なので、かなり偏っています。クタ、スミニャック、チャングーはほぼいったことがないので、情報ゼロです。

ウブド・ニュークニン地区

2023年の旅は主に、ウブドの中心から少しだけ外れたニュークニンという地区に滞在した。近年、外国人向けのお店がすごく増えていてたようで近場でさまざまなジャンルのグルメを楽しめた。今、ウブドで一番ホットで穴場な地区では?

Old Friends Coffee【カフェ】

今回の旅で一番出会えてよかったと思った、バリ島キンタマーニ産のスペシャルティコーヒーが飲めるカフェ。
コーヒーはミディアムとダークのローストから選んで、ハンドドリップで淹れてくれる。
ミディアムローストのコーヒーはフルーティーかつコクがあり、ちょっと今まで飲んだことのない、いい意味でパンチの効いた味わい。コーヒーが果実から生まれたものだということがよくわかる。
コーヒーのほかにも、ビーガン向けのフォカッチャやパン・オ・ショコラなどの軽食、ローチョコレートケーキやアフォガードなどのスイーツもある。
まだコーヒーが飲めない5歳の娘はストロベリーココナッツシェイクをチョイス。
友人一家と一緒だったのでいろいろ味見できて、どれもおいしかった。
朝8時オープンなので、朝ごはんに超おすすめ。
内装がまたよくて、ハノイやジャワにある街角の古くからあるカフェのような雰囲気で、1人旅だったらここで本読んだり、日記書いたり、3時間くらいぼーっとしたりして過ごしたい…。
コーヒー豆も買えるので、深煎りをお土産にした。
帰国後家で淹れたところ、ラムのような風味と甘みで超リッチな味わい。ブラックはもちろんおいしいけど、カフェオレにすると「これは…スイーツ…?」となった。
もっと買って帰ればよかった!
余談だけど、帰国後に調べたら、キンタマーニでは近年、外国人の支援でスペシャリティーコーヒーを栽培している農園がいくつかできているよう。次回は見学に行ってみたい。

気にしてないと通り過ぎてしまいそうな
こぢんまりとした店
風通しのいい店内
フォカッチャとコーヒー

La Cantine【カジュアルフレンチ】

今回の旅で大当たりだった、バリではちょっと珍しい、フレンチが手頃な値段で食べられるお店。
フレンチと言っても、日本でイメージする高級なフランス料理ではなく、クロックムッシュや、牛肉の赤ワイン煮込みなどや食堂のお惣菜といったメニューが多い。
しかも、パスタやハンバーガーなど、それフレンチじゃない…といったメニューも多い。
どれを食べてもおいしいので、ウブドに滞在するならぜひ行ってほしい。
ハンバーガーのパティは焼き具合を選べて、とてもジューシーだし、ツナのたたきはガーリックしょうゆのソースで日本人的にもとても食べやすい。
日曜日限定でBBQグリルのメニューもあり、牛肉の串焼きが手頃な値段で食べられる。(売り切れで食べられなかった…)
バリでは貴重な生ビールが飲めるのもうれしいところ。
さらに、キッズメニューやキッズスペースもある子連れウェルカムな店なので、欧米人ファミリーで大賑わいだった。
人気店なので、予約したほうが確実。

ツナのたたき
肉厚パティに潔くナイフがぶっ刺さる
個人的にはビリヤード台の分の席数増やせばいいのにと思う。

Warung Be Pasih【魚介系インドネシア料理】

地元のバリ人リコメンドの魚系食堂。
イカンバカール(焼き魚)や魚のすり身をバナナの葉っぱで包んで蒸したペペスイカンなどのインドネシア料理がおいしい。
さらに、メニューには刺身や巻き寿司も。私は食べそびれてしまったけれど、同行の人たちいわくおいしかったとのこと。
在住日本人にも「ローカル値段で寿司や刺身が食べられる」と人気みたい。
オーナーはどうやら東京のホテルのキッチンで働いた経験があるよう。
ついつい肉料理が多くなりがちなバリ旅で、おいしい魚料理を食べられるお店。

巻き寿司はこれ以外にカリフォルニアロールも多数。にぎり寿司もある。

Blend Cafe Ubud【カフェ】

ニュークニンの奥、モンキーフォレストに近い場所にあるカフェ。
朝8時頃から開いているので、朝食に立ち寄った。
インスタ映え必須なやたらカラフルなグラノーラで人気のよう。(食べてないので味は?)
私はキヌアとか野菜とかが包まれたオムレツを食べておいしかった。
同行の友人や子供たちが頼んだパンケーキはボリュームがすごい、そして映え。
全体的に味はそれなりにおいしいといったところだけど、雰囲気いいし、隣の席の欧米人の頼んでたグラノーラは一見の価値ありという感じだったので、まずは朝食やブランチに利用してみては?

オムレツというよりオムライス
塩気の効いたカッテージチーズがアクセントになっていてよい
映えなパンケーキ

影武者【日本食】
ウブドの日本人観光客、在住日本人の心のオアシス。
食方面でつらくなったらとりあえず影武者に行こう。
青菜のおひたし、揚げ出し豆腐、焼き鳥、うどん、丼もの…、日本の食堂や居酒屋にあるしみじみおいしいご飯にありつける。
なんちゃって日本食でなく、ちゃんと食材や調味料を吟味していることがよくわかるだしの効いた奥深い味わいが、旅で疲れた体にしみわたる。
今回はじめて子連れでバリだったけど、食事面、娘は心配したよりはそれなりに食べてくれた。とはいえ、洋食系ではポテトフライやスパゲッティ、ローカルご飯でも油多めな食事になりがち。5歳児にはそろそろおなかがつらいかもなタイミングで行ったら、卵とじうどん爆食いだった。

ウブド中心部

Warung Biah-Biah【インドネシア・バリ料理】

ウブド中心地の細い道、JL.ゴータマにあるバリ料理のお店。外国人向けで内装もこぎれいなので、最初に食べるバリ料理の店としておすすめ。まず食べてほしいのがナシチャンプルー。ひと皿に野菜や肉料理など色々なおかずが乗っているので、バリのいろんな味を楽しむことができる。
このとき、ぜひ追加してほしいのが「サンバルマタ」。
「サンバル」はインドネシアやマレーシアの料理についてくるとうがらしのソースでいろいろな種類がある。サンバルマタはバリ独自のもので、「マタ」は生の意味、つまり火を通さないサンバルのこと。ココナッツオイルに、塩、バワンメラ(小さな紫たまねぎ)、唐辛子やニンニク、ライムをいれたもの。これだけでごはんが食べられる、バリ版食べるラー油と言ったところ。
日本語メニューあり。

ナシチャンプルーはそんなに辛くない
鶏のささみをサンバルマタで和えたアヤムサンバルマタが一押し

Warung Citta Ovest【イタリアン】

中心地デウィシタ通り沿いの小さなイタリアン。
ピザ、パスタが中心で、野菜のフリットや砂肝のソテーなど一品料理も。バリにいると野菜不足になりがちなのでサラダもおすすめ。
私はここのジェノベーゼが本当においしいと思う。
全般的に手頃な値段で、グラスワインも飲めるのがうれしい。
オーナーが日本人女性なので、砂肝やナポリタンなど、日本人旅行者にうれしいメニューもある。
ウブド中心地から離れたところにオープンした頃から気づけば10年以上。バリに行けば必ず行くようにしていて、ばったりオーナーと会えたら、ビンタンを飲みつつ話しに花が咲く、大好きなお店。

バジルの風味が濃いジェノベーゼ
この看板が目印

Warung Melting Wok 【ラオス料理】

ラオス人とフランス人夫妻が営むラオス料理の店。
ハーブたっぷりのラオスカレーがおいしい。
ココナッツミルクありかなし、米飯か米麺か、などいろいろ選べる。
私はココナッツミルクありの米が好みだった。

野菜とハーブががっつり食べられる

カフェ KAFE 【オーガニックカフェ】

まだJL.ハノマンの道沿いの店がまばらだった頃からある老舗と言ってもいいカフェ。ヨギー御用達らしくオーガニックなメニューが多い。
ただ、私はここでちゃんと食事をしたことはないので、ごはんものについては言及は避けたい。
たまたまここにお茶しに入ったときに、ロウチョコレートケーキを食べたらとてもおいしかったので、それ以来、スイーツ目当てで立ち寄るように。
ロウチーズケーキもおいしい。

カカオの風味が濃厚なロウチョコレートケーキ

マンマミーア【イタリアン】

薪窯で焼いたピザが食べられる。ピザがでかい。

生地が薄くて食べやすかった

Taco Casa【メキシコ料理】

タコスとトルティーヤが有名でわりと昔からある店。
トルティーヤがおいしい。とにかくボリュームがすごい。

チーズの量すご…

ウブド・そのほか

Alila Ubud 【朝食】

ウブド中心地から車で20分くらい離れた渓谷沿いにある高級ホテル、アリラウブド。10年ほど前、朝食がおいしいらしくビジターもOKとのことで行ってみたところ、朝食はもちろん景観もすこぶるすばらしく感動した。
以来、滞在中1回は行くようになった。
メニューはフルーツ、パン、選べる卵料理など、ホテルの定番朝食だけど、どれも丁寧に作られていて絶品。
ちょっと珍しいものとして、飲み物にジャムウがあること。
※ジャムウは植物の実や葉などを調合してできたインドネシアの伝統的な健康飲料。
せっかくバリにきたならぜひ試してほしい。

卵2種とソーセージ、ハッシュポテトのプレート
これだけで十分過ぎるリッチな朝食
プールの向こうには美しい渓谷
絶品のパンと
見た目ヤクルトの期待を裏切る
斬新な味のジャムウ

Mangga Madu【インドネシア料理】

ウブド王宮の通りを東側、プリアタンの交差点のすぐそばにあるワルン(食堂)で、もはや「ウブドでインドネシア料理といえば」というくらいの店ではないだろうか?インドネシア料理がまんべんなくあって色々楽しめる。
広々きれいなので、おいしくてローカルな感じのインドネシア料理を気軽に食べてみたい旅行者におすすめ。
ここのナシゴレンはバリローカルのものより味がさっぱりしたジャワ風、日本人的にチャーハン度が高いので好き。

手前:ナシゴレン
中央:ソトアヤム(インドネシア風チキンスープ)
奥:ルンダン(牛肉のココナッツミルク煮)

Warung Makan Teges【バリ料理】

中心地から少し外れたトゥガスにある、地元で人気のローカルなナシチャンプルの食堂。メニューはナシチャンプルーだけ。
広々していて過ごしやすい。

辛すぎずでもバリらしい味だった

Cafe Des Artistes【ステーキ】

ビーフステーキが絶品。
ローカルビーフとOGが選べるけどローカルで十分おいしい。
+20,000RPくらいでこれも絶品ソースが選べるのでぜひ追加オーダーを。

エシャロット&クリームチーズのせのステーキ

カフェインダス【洋〜インドネシアンまで色々】

ウブドの渓谷沿いにあるめちゃくちゃ景色のよいカフェ。
お茶だけでもOK。
景色を楽しみたいなら2Fのテラスへ。

テラスからは霊峰アグン山も見える

サヌール

Cafe Batujimbar【カフェ】

サヌールを代表する老舗カフェ。
インドネシア料理からサンドイッチ、パスタ、デザートと色々メニューがあって使い勝手がよく、キッズメニューがあるのも子連れにはうれしい。
ナシチャンプルーはマイルドな味なので、初めてのインドネシア料理におすすめ。
クラフト生ビールがあるのもうれしい。
店の内装も店員さんの雰囲気もとてもよくて、居心地がよい。

食べやすいナシチャンプルー
広々としたテラス
エアコンの効いた店内

KAYO MANIS 【フュージョン】

バリ人シェフが作るバリ料理をベースにした無国籍料理と洋食。
サラダもメインも超おいしい。ディナーにおすすめ。
人気店なので予約必須。

その他の地域

Warung Merta Sari【魚介系インドネシア料理】

バリのごはん屋でどれがいちばん好きかと聞かれたらここ。
東部、塩田の村クサンバにあるサテイカン(魚の串焼き)の超名店。
メニューは1種類で、適当な席に座ると自動的に魚の串焼き3種、魚のスープ、青菜炒め、サンバルマタ、ご飯がセットで出てくる。
どれも塩とスパイスがしっかり効いた、パンチのある味でこれぞバリのごはん!
スープもこんなにだしの効いたスープあるんか、というくらい深い味わい。
ただ辛い、ほんと辛い。いつも泣きながら食べてる。
そしてここのサンバルマタが最高で、これだけでご飯3杯はいける。
一緒に行ったガイドのバリ人クトゥさんは「おいしいサンバルマタはフレッシュな塩とココナッツオイル。ここは両方がある。」とのこと。
観光地からは遠いけど、ブサキ寺院やルンプヤン寺院など、東部の観光ついでに立ち寄ることができるのでぜひ、プランに組み込んでほしい。

最初ごはん多いなと思ったけど
パンチの効いたおかずを受け止めるにはこれぐらいの量が必要

Teba Cafe Jimbaran【シーフード】

サンセットで有名なジンバランのビーチにはシーフードの店が十数件並んでいて、その内のひとつ。
多過ぎでどれがいいかわからないので、適当に入ってみたらおいしかった。
今回はランチで利用。
エビ、イカ、魚、貝をココナッツの皮で焼いたものと、ごはん、青菜炒め、サンバルがセットでRp160,000(1400円くらい)。
味付けは甘辛スパイシーで辛みそっぽいソースがやけにおいしくて、ごはんとよく合う。
真っ昼間だったので、室内で食べたけど、夕方からはビーチに面したオープンエアで夕日を眺めながら食事が楽しめる。
この界隈のディナーはたしかRp600,000くらいのコース料理が主だったと思う。(要確認)

味付けはぜんぶ同じソース
3種のサンバルとニンニクオイル
味変できてよい
こんな感じでシーフードの店が10件ほど並んでいる

スカワティのスーパーデルタデワタの前の温泉卵屋台

取材で中部バトゥアンに滞在していた頃に行ってはまった屋台。いつも地元の人たちで超賑わっていて、引きも切らない注文を店主がばしばしとさばいている。温泉卵をほしい数だけオーダーすると、プラコップに入れて塩コショウをかけてくれる。
白米とサンバルをバナナの皮で包んだものもあるので、軽食としてもよい。
ドリンクはなぜかミルクティーが合う。
ここで食べるたびに「飲んだあとにこういうところで締めたい」と思う。
机もいくつかあるけど、繁盛しているので軒先にしゃがんで食べることが多い。
今回の旅では立ち寄ることができず、この屋台がまだあるかは確認できなかった。再会できることを願っている。

サンバルが添えられたごはんに卵をかけてたべるのもよい
陽気で実はキレ者の店主
お元気ですか?

マルタバの屋台

インドネシアの国民的屋台料理マルタバ(独断)。
夕方になるとバリ島でも各所に出現する。
パイのような生地で卵やネギなどを包んで揚げ焼きする、なかなかに凶悪な軽食でビールのつまみとして最高すぎる。
店によってカレー風味だったり、八角っぽい香りがしたりと様々。個人的にはスカワティ夜市のあっさり味が好き。

それなりに技があるので作っているところを見るのも楽しい
マルタバの屋台はだいたいこんな感じ

Bakmi Keriting Jakarta【ミーアヤム】

デンパサールにあるミーアヤムで有名な中華系インドネシア人が営むインドネシア風中華料理店。
ミーアヤムとは中華麺に刻んだ鶏肉と青菜などがトッピングされたあっさりヌードル。
味もおいしかったけど、バリというより、東南アジアが色濃い店内の雰囲気が好きだった。

一見つけ麺だけどスープを麺にかけて食べるスタイル
古き良き東南アジアの食堂といった趣

まとめの前に…

ここまで読んで言いたいことがあ方も一部いらっしゃるでしょう。
「なぜバビグリンの店が入ってない!」と。
※バビグリン:豚の丸焼きのことでバリ料理と言えばこれ。
はい、すみません…。実は結構迷ったのでその逡巡を…。
ウブドにはバビグリンの超有名店イブオカがあるけど、以前行ったときに「外国人向けにマイルドにしちゃったのかな…?ていうかちょっと大味な感じがする。」というのが正直な感想だった。
バビグリンは辛くてスパイシーでしょっぱいパンチの効いた味、という印象があったので。
ここでは、自分が実際に行っておいしいと思った店だけ書くと決めていること、さらにイブオカはどのガイドブックにも載っているので、あえてここに書く必要がないかなと思ったので今回は外した。
とはいえ、ぜんぜんまずいとかじゃない。普通においしい。
バリ料理といえばバビグリンなので、ぜひ行ってみてほしい。
また、今回気になってたけど行けなかったバビグリンのお店を載せておくので、行った方感想聞かせてください。

居候していたバリ人一家で子供が生まれたお祝いのバビグリン
私にとって忘れられないごちそう

まとめ

バリの外国人観光客が滞在する場所はカフェやレストランが密集していて、あらゆるジャンルのごはんが食べられるので、食に困るということはないと思う。
またウブドはオーガニック系のカフェが多く、フレッシュな野菜やヘルシーな食事もとれる。
1食の値段は以前に比べたらずいぶん値上がりした。それでも日本よりはリーズナブルだと思う。
しかし、ここまで書いてみて、我ながらずいぶんいろいろ行ったなという印象。
私がバリに行くときは基本取材なので、ローカルな村にいることが多く、合間を見つけてウブドまでバイクを飛ばしてごはんを食べに行くのが息抜きたっだので…。
基本食いしん坊、1食も無駄にしたくない餓鬼なので、これからもバリ島でグルメ探求を続けていきたい。

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