極私的バリ島ブックマーク ーごはん編ー
2000年代初頭よりバリ島に通いはじめてから20年。
バリに行くという友人知人にオススメの場所や店をリストにしてメールで送りつけてはドン引きされていたテキスト。
加筆修正し続けて、気づけばかなり長大な一大叙事詩のよう。
バリへ旅する人に役立つよう、ここに公開してお焚き上げします。
今回はおいしかったごはん屋をご紹介。
※2024年6月にバリ再訪。新たなお店を加え、写真や文章を更新しました。また、リンクをgoogle mapに統一しました。
※訪れる地域がほぼウブドとサヌール、もしくはローカルな村なので、かなり偏っています。クタ、スミニャック、チャングーはほぼいったことがないので、情報ゼロです。
ウブド・ニュークニン地区
ウブドのニュークニンという地区は中心地から少し離れているので、渋滞もなく、ゆったりしているけれど、近年、外国人向けのお店がすごく増えていてたようでさまざまなジャンルのグルメを楽しめる。
Old Friends Coffee【カフェ】
最近の旅で一番出会えてよかったと思った、バリ島キンタマーニ産のスペシャルティコーヒーが飲めるカフェ。
コーヒーはミディアムとダークのローストから選んで、ハンドドリップで淹れてくれる。
ミディアムローストのコーヒーはフルーティーかつコクがあり、ちょっと今まで飲んだことのない、いい意味でパンチの効いた味わいで、コーヒーが果実から生まれたものだということがよくわかる。
コーヒーのほかにも、ビーガン向けのフォカッチャやパン・オ・ショコラなどの軽食、ローチョコレートケーキやアフォガードなどのスイーツもある。
まだコーヒーが飲めない5歳の娘はストロベリーココナッツシェイクを飲んでいた。
朝8時オープンなので、朝ごはんにもおすすめ。
内装がまたよくて、ハノイやジャワにある街角の古くからあるカフェのような雰囲気で、1人旅だったらここで本読んだり、日記書いたり、3時間くらいぼーっとしたりして過ごしたい…。
コーヒー豆も買えるので、深煎りをお土産にした。
帰国後家で淹れたところ、ラムのような風味と甘みで超リッチな味わい。ブラックはもちろんおいしいけど、カフェオレにすると「これは…スイーツ…?」となった。
もっと買って帰ればよかった!
余談だけど、帰国後に調べたら、キンタマーニでは近年、外国人の支援でスペシャリティーコーヒーを栽培している農園がいくつかできているよう。いつか見学に行ってみたい。
La Cantine【カジュアルフレンチ】
バリではちょっと珍しい、フレンチが手頃な値段で食べられるお店。
フレンチと言っても、日本でイメージする高級なフランス料理ではなく、クロックムッシュや、牛肉の赤ワイン煮込みなどや食堂のお惣菜風メニューが多い。
しかも、パスタやハンバーガーなど、それフレンチじゃない…といったメニューも多い。
どれを食べてもおいしいので、ウブドに滞在するならぜひ行ってほしい。
ハンバーガーのパティは焼き具合を選べて、とてもジューシーだし、ツナのたたきはガーリックしょうゆのソースで日本人的にもとても食べやすい。
日曜日限定でBBQグリルのメニューもあり、牛肉の串焼きが手頃な値段で食べられる。(売り切れで食べられなかった…)
バリでは貴重な生ビールが飲めるのもうれしいところ。
さらに、キッズメニューやキッズスペースもある子連れウェルカムな店なので、欧米人ファミリーで大賑わいだった。
人気店なので、予約したほうが確実。
Warung Be Pasih【魚介系インドネシア料理】
地元のバリ人と在住日本人リコメンドの魚系食堂。
東京のホテルのキッチンで働いた経験があるバリ人がオーナーのお店で、日替わりでオーナーが仕入れた海の幸が食べられる。イカのガーリックバター炒めやタコのフライなど魚介系おつまみが充実している。
イカンバカール(焼き魚)や魚のすり身をバナナの葉っぱで包んで蒸したペペスイカンなどのインドネシア料理もおいしい。
さらに、メニューには刺身や巻き寿司、焼き魚の定食も。
在住日本人にも「ローカル値段で寿司や刺身が食べられる」と人気みたい。
ついつい肉料理が多くなりがちなバリ旅で、おいしい魚料理を食べられるお店。
Blend Cafe Ubud【カフェ】
ニュークニンの奥、モンキーフォレストに近い場所にあるカフェ。
朝8時頃から開いているので、朝食にも便利。
なんと言っても、圧巻なのが超カラフルなグラノーラ!
どうやって作ってるのだろう?山盛りのフルーツと映えにデコレーションされたヨーグルト、その下にグラノーラが隠れていて、味もよい!
キヌアや野菜が包まれたオムレツもおいしかった。
パンケーキはボリュームがすごい。
インスタ映えなおしゃれカフェ。
影武者【日本食】
ウブドの日本人観光客、在住日本人の心のオアシス。
食方面でつらくなったらとりあえず影武者に行けば、青菜のおひたし、揚げ出し豆腐、焼き鳥、うどん、丼もの…、日本の食堂や居酒屋にあるしみじみおいしいご飯にありつける。
なんちゃって日本食でなく、ちゃんと食材や調味料を吟味していることがよくわかるだしの効いた奥深い味わいが、旅で疲れた体にしみわたる。
はじめて子連れでバリに行ったとき、食事面、娘は心配したよりはそれなりに食べたけれど、洋食系ではポテトフライやスパゲッティ、ローカルご飯でも油多めな食事になりがち。5歳児にはそろそろおなかがつらいかもというタイミングで行ったら、卵とじうどんをよく食べてくれた。
ウブド中心部
ウブド市場や王宮、モンキーフォレストなど見どころも多いウブド中心地は飲食店も充実している。
Warung Biah-Biah【インドネシア・バリ料理】
ウブド中心地の細い道、JL.ゴータマにあるバリ料理のお店。外国人向けで内装もこぎれいなので、最初に食べるバリ料理の店としておすすめ。まず食べてほしいのがナシチャンプルー。ひと皿に野菜や肉料理など色々なおかずが乗っているので、バリのいろんな味を楽しむことができる。
このとき、ぜひ追加してほしいのが「サンバルマタ」。
「サンバル」はインドネシアやマレーシアの料理についてくるとうがらしのソースでいろいろな種類がある。サンバルマタはバリ独自のもので、「マタ」は生の意味、つまり火を通さないサンバルのこと。ココナッツオイルに、塩、バワンメラ(小さな紫たまねぎ)、唐辛子やニンニク、ライムをいれたもの。これだけでごはんが食べられる、バリ版食べるラー油と言ったところ。
日本語メニューあり。
Warung Citta Ovest【イタリアン】
中心地デウィシタ通り沿いの小さなイタリアン。
ピザ、パスタが中心で、野菜のフリットや砂肝のソテーなど一品料理も。
私はここのジェノベーゼが本当においしいと思う。
全般的に手頃な値段でグラスワインが飲めるのもうれしい。
オーナーが日本人女性なので、砂肝やナポリタンなど、日本人旅行者にうれしいメニューもある。
ウブド中心地から離れたところにオープンした頃から気づけば10年以上。バリに行けば必ず行くようにしていて、ばったりオーナーと会えたら、ビンタンを飲みつつ話しに花が咲く、大好きなお店。
2024年に行ったところ、夜は欧米人の行列ができる大人気店になっていた。
Warung Melting Wok 【ラオス料理】
ラオス人とフランス人の夫妻が営むラオス料理の店。
ハーブたっぷりのラオスカレーがおいしい。
ココナッツミルクありかなし、米飯か米麺か、辛さも細かくいろいろ選べる。
Ubud Coffee Roastery【カフェ】
地元産の豆を使用した高品質なコーヒーが飲めるカフェ。
JL.ハノマンからすぐの石畳の路地にあり、静かでゆっくりくつろぐことができる。朝7時オープンなので、朝の散歩がてら立ち寄るのもいい。
ウブドはバリ島独自のスペシャリティーコーヒーを扱う店が増えてきている印象で、コーヒーが好きにな人におすすめしたい場所になってきた。
Cafe Des Artistes【ステーキ】
ビーフステーキが絶品。
ローカルビーフとOGが選べるけどローカルでも十分おいしい。
+20,000RPくらいでこれも絶品ソースが選べるのでぜひ追加オーダーを。
CASA LUNA【カフェ】
バリの伝統料理と、アジア各国や西洋の料理も取り入れた多彩なメニューが楽しめるレストラン。
ウブド王宮そばのにぎやかな通りにありながら、落ち着いた雰囲気でリラックスできる。伝統的なバリの建築様式と現代的なデザインが融合したインテリアもすてき。
カフェ KAFE 【オーガニックカフェ】
まだJL.ハノマンの道沿いの店がまばらだった頃からあるもはや老舗のカフェ。ヨギー御用達らしくオーガニックなメニューが多い。
たまたまここにお茶しに入ったときに、ロウチョコレートケーキを食べたらとてもおいしかったので、それ以来、スイーツ目当てで立ち寄るように。
ロウチーズケーキもおいしい。
野菜たっぷりのモーニングメニューもある。
Taco Casa【メキシコ料理】
タコスとトルティーヤが有名でわりと昔からある店。
トルティーヤがおいしい。とにかくボリュームがすごい。
ウブド・そのほか
Alila Ubud 【朝食】
ウブド中心地から車で20分くらい離れた渓谷沿いにある高級ホテル、アリラウブド。10年ほど前、朝食がおいしいらしくビジターもOKとのことで行ってみたところ、朝食はもちろん景観もすこぶるすばらしく感動した。
以来、滞在中1回は行くようになった。
メニューはフルーツ、パン、選べる卵料理など、ホテルの定番朝食だけど、どれも丁寧に作られていて絶品。
せっかくバリにきたならぜひ試してほしい。
Mangga Madu【インドネシア料理】
ウブド王宮の通りを東側、プリアタンの交差点のすぐそばにあるワルン(食堂)で、もはや「ウブドでインドネシア料理といえば」というくらいの店ではないだろうか?インドネシア料理がまんべんなくあって色々楽しめる。
広々きれいなので、おいしくてローカルな感じのインドネシア料理を気軽に食べてみたい旅行者におすすめ。
ここのナシゴレンはバリローカルのものより味がさっぱりしたジャワ風、日本人的にチャーハン度が高いので好き。
Warung Makan Teges【バリ料理】
中心地から少し外れたトゥガスにある、地元で人気のローカルなナシチャンプルの食堂。メニューはナシチャンプルーだけ。
広々していて過ごしやすい。
Indus【レストラン】
ウブドの渓谷沿いにあるとても景色のよいカフェ。
景色を楽しみたいなら2Fのテラスへ。
CASA LUNAの系列店で、メニューはアジア料理が中心。
サヌール
Cafe Batujimbar【カフェ】
サヌールを代表する老舗カフェ。
インドネシア料理からサンドイッチ、パスタ、デザートと色々メニューがあって使い勝手がよく、キッズメニューがあるのも子連れにはうれしい。
ナシチャンプルーはマイルドな味なので、初めてのインドネシア料理におすすめ。
クラフト生ビールがあるのもうれしい。
店の内装も店員さんの雰囲気もとてもよくて、居心地がよい。
Tanjung Sari【カフェ】
サヌールのビーチ沿いにある老舗ホテル、タンジュンサリのレストラン。
モーニングからディナーまでさまざまな料理が楽しめる。
特におすすめはモーニング。ビジターもOKで、宿泊客と同じ朝食が食べられる。大きな木の木陰で海からの風を感じながらの朝食は至福のひとときだ。
公式サイトによると、予約すればアフタヌーンティーも楽しめるみたい。
タンジュンサリについては好きすぎて、別に記事を書いたので一読を。
KAYO MANIS 【フュージョン】
バリ人シェフが作るバリ料理をベースにした無国籍料理と洋食。
サラダもメインも超おいしい。ディナーにおすすめ。
人気店なので予約必須。
その他の地域
Warung Merta Sari【魚介系インドネシア料理】
バリのごはん屋でどれがいちばん好きかと聞かれたらここ。
東部、塩田の村クサンバにあるサテイカン(魚の串焼き)の超名店。
メニューは1種類で、適当な席に座ると自動的に魚の串焼き3種、魚のスープ、青菜炒め、サンバルマタ、ご飯がセットで出てくる。
どれも塩とスパイスがしっかり効いた、パンチのある味でこれぞバリのごはん!
スープもこんなにだしの効いたスープあるんか、というくらい深い味わい。
ただ辛い、ほんと辛い。いつも泣きながら食べてる。
そしてここのサンバルマタが最高で、これだけでご飯3杯はいける。
一緒に行ったガイドのバリ人クトゥさんは「おいしいサンバルマタはフレッシュな塩とココナッツオイル。ここは両方がある。」とのこと。
観光地からは遠いけど、ブサキ寺院やルンプヤン寺院など、東部の観光ついでに立ち寄ることができるのでぜひ、プランに組み込んでほしい。
Teba Cafe Jimbaran【シーフード】
サンセットで有名なジンバランのビーチにはシーフードの店が十数件並んでいて、その内のひとつ。
多過ぎでどれがいいかわからないので、適当に入ってみたらおいしかった。
今回はランチで利用。
エビ、イカ、魚、貝をココナッツの皮で焼いたものと、ごはん、青菜炒め、サンバルがセットでRp160,000(1400円くらい)。
味付けは甘辛スパイシーで辛みそっぽいソースがやけにおいしくて、ごはんとよく合う。
昼間だったので、室内で食べたけど、夕方からはビーチに面したオープンエアで夕日を眺めながら食事が楽しめる。
この界隈のディナーはたしかRp600,000くらいのコース料理が主だったと思う。(要確認)
スカワティのスーパーデルタデワタの前の温泉卵屋台
取材で中部バトゥアンに滞在していた頃に行ってはまった屋台。いつも地元の人たちで超賑わっていて、引きも切らない注文を店主がばしばしとさばいている。温泉卵をほしい数だけオーダーすると、プラコップに入れて塩コショウをかけてくれる。
白米とサンバルをバナナの皮で包んだものもあるので、軽食としてもよい。
ドリンクはなぜかミルクティーが合う。
ここで食べるたびに「飲んだあとにこういうところで締めたい」と思う。
机もいくつかあるけど、繁盛しているので軒先にしゃがんで食べることが多い。
今回の旅では立ち寄ることができず、この屋台がまだあるかは確認できなかった。再会できることを願っている。
マルタバの屋台
インドネシアの国民的屋台料理マルタバ(独断)。
夕方になるとバリ島でも各所に出現する。
マルタバには2種類あって、大きなパンケーキのような形で甘いのがマルタバ・マニス/Martabak Manis (テラン・ブラン/Terang Bulanと言う名前で出してる屋台も多い)、パイのような生地に卵やネギなどを包んで揚げ焼きするおかず系がマルタバ・テロール/Martabak Telur。
わたしはマルタバ・テロールが大好きでビールのつまみに最高にベストマッチングなインドネシア料理だと思っている。
店によってカレー風味だったり、とうがらしが効いて辛めだったりと様々。
マルタバ・マニスはパンケーキのような生地にマーガリンをたっぷり塗って、チョコや練乳、チーズなどをお好みでトッピングしたもの。
味は言わずもがな…。
お察しの通り、どちらのマルタバもカロリーの塊、凶悪で魅惑的な屋台料理である。
Bakmi Keriting Jakarta【ミーアヤム】
デンパサールにあるミーアヤムで有名な中華系インドネシア人が営むインドネシア風中華料理店。
ミーアヤムとは中華麺に刻んだ鶏肉と青菜などがトッピングされたあっさりヌードル。
味もおいしかったけど、バリというより、東南アジアが色濃い店内の雰囲気が好きだった。
バビグリンについて
バリを訪れたらぜひ食べてほしいのがバビグリン。
バビグリンとは豚の丸焼きのことで、特別な祝いや祭りでよく食べられるバリの伝統的な料理だ。
内臓を抜いたおなかの中がコリアンダーやターメリック、ニンニク、ショウガなどでマリネされ3〜4時間かけてじっくりと焼き上げられる。外はパリっと、中はジューシーで、スパイシーな味わいが特徴。
バリ島の各地にローカルな食堂があるけれど、特に有名なのがウブドにある老舗のイブオカ。
外国人観光客がひっきりなしに訪れる人気店で、味も外国人向けにしてあるのか、ややマイルドな味わいなので、気負わずぜひ食べてみてほしい。
もうひとつ地元の人たちに大人気と最近話題なのが、ギャニアールにあるPande egi(パンデエギ)。
ウブドから車で30分以上かかるローカルな場所にあるので、私はまだ行ったことはないけれど、方々で評判を聞くので次回はぜったい行かねば!
Pande egiについては音楽評論家のサラーム海上さんが著書「マージナルフーディーツアー」で詳しく書かれてているので、興味ある人はぜひ読んで。
世界各地のおいしいごはんを食べ歩いてきたサラーム海上さんも絶賛しているので、かなり期待できると思う!
まとめ
バリの外国人観光客が滞在する場所はカフェやレストランが密集していて、あらゆるジャンルのごはんが食べられるので食に困るということはない。
特にウブドはオーガニック系のカフェが多く、フレッシュな野菜やヘルシーな食事もとれる。
1食の値段は以前に比べたらずいぶん値上がりしたけれど、それでも日本よりはリーズナブルだと思う。
最近はインドネシア料理を現代風にアレンジしたおしゃれなお店も増えているようなので、次回の訪問が楽しみだ。
旅で出会う料理はどれも一期一会。
これからもバリ島でグルメ探求を続けていきたい。