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タンジュンサリは天国である 〜極私的バリ島ブックマーク番外編〜
バリ島中東部サヌールにある老舗リゾートホテル、タンジュンサリ。
2008年に1人旅した時、1泊くらいはいいホテルに泊まろうと思い立ち、飛び込みで宿泊してみたところ、ホスピタリティ、インテリア、雰囲気全てに魅了されてしまった。
その後、取材のため頻繁にバリを訪れるようになり、時間とお金を何とか捻出できるときは滞在するようになった。
この記事では愛してやまないタンジュンサリの魅力を独断と偏見満載で語りたいと思う。
タンジュンサリとは
1962年創業の老舗リゾートホテル。
中東部サヌール地区のシンドゥビーチ沿いにあり、敷地内には伝統的なバリスタイルのヴィラが点在している。
バリリゾート黎明期の面影を残すクラシカルな雰囲気を愛するリピーターも多い。
能書きはこれくらいにして、ここからはタンジュンサリの素晴らしさを存分に語らせていただきます。
タンジュンサリが天国であるいくつかのこと
幸せすぎる朝食
タンジュンサリで最も楽しみなのが朝食。
この朝食のために泊まると言ってもいい。
タンジュンサリのレストランはビーチが目の前に広がる屋外にある。プールを取り囲む席に座ると、敷地内の大きな巨木が適度に日差しを遮り、朝の爽やかな風が通る。
もうこれだけで最高なのである。
メニューは選べるフレッシュジュース、フルーツ盛り合わせ、コーヒーor紅茶にメインを選ぶスタイル。
メインメニューも多様で、卵料理やフレンチトーストなど洋風からナシゴレンなどインドネシアンまで10種くらいあっていつも迷ってしまう。
でも全部おいしいから大丈夫。
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今はメニューないみたい。おいしかったのに…
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1人旅なら朝の風景を楽しみながら、誰かと一緒ならお互いの朝食を味見し合って、この場所のあたたかな空気をゆっくり噛み締めて幸せモーニングを満喫しよう。
ちなみにビジターもOK。
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ロケーションが最高
60年前、このホテルがサヌールという場所に建てられた時点で成功は約束されていたのだと言っていい。
サヌール自体がバリでいちばん古いリゾート地で、他のビーチリゾートよりもチャラくない落ち着いた雰囲気でゆったりとした気分で過ごすことができる。
敷地自体はそこまで広くなく、ヴィラの間をつなぐ小道はバリの小さな村を歩いているよう。
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そしてヴィラを抜けると大きな巨木の下にプールとレストラン、その先に海が広がる、この導線が最高だと思う。
ホテルに着いたらすぐに水着を着てこのレストランに向かい、ビンタンビールを飲むと「ああ!バリ来た!」と嬉しい気持ちでいっぱいになる。
ホテルとビーチは地続きで、ビーチにもタンジュンサリ専用のパラソルとビーチベッドがあり、北には霊峰アグン山が見える。
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至福…
サヌールはサンセットビーチではないけれど、雨季の夕暮れは空がピンク色に染まり幻想的。
そして、満月の日はビーチの真正面から月が昇る。
サンライズスポットでもあるので、早起きして日の出を眺めつつ涼しいビーチを散歩するのが心地よい。
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インテリアがすてき
創業当時の雰囲気をそのままに、というタンジュンサリの美学はインテリアでも徹底している。
ウッディな家具にはインドネシア伝統工芸バティックのテキスタイルがあしらわれ、床や壁には美しい柄のアンティークタイルが敷かれている。
ランプシェードなどの調度品の細かい細工もオールドバリの雰囲気を演出している。
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床のタイルも美しい。
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ヴィラは伝統的なバリの家屋と同じ作りで、全ての部屋に庭、そしてテラスやガゼボがある。室内だけでなく、屋外でもくつろぐ場所があるのも、バリの暮らしや伝統の良さを伝えるという、タンジュンサリの理念の表れだと思う。
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個性的な意匠
タンジュンサリにいていつも楽しいなと思うのは、ところどころにあるサインなどの意匠だ。
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可愛らしくて、ちょっ笑えるサインが「高級リゾートだからって肩ひじ張らず、好きに過ごしていいんだよ」と言っているようでこちら自然と力が抜けてくるのだ。
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部屋やレストラン、随所置かれたフラワーアレンジメントはバリの人たちが信仰するヒンドゥー教のお供えを彷彿とさせ、カラフルで美しい。
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美しい庭
タンジュンサリは決して広い敷地ではないのだけれど、ヴィラを縫う小道などいたるところに、南国の植物や苔むした石像をたくさん見ることができる。
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植物も手入れは行き届きつつも、作り込み過ぎておらず、生命力あふれるバリの自然を感じさせてくれる。
個人的に好きなのは、フロント近くにあるブーゲンビリアの棚。
青い空にビビッドなピンクとグリーンのコントラストは私の元気の素だ。
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スタッフのホスピタリティがすばらしい
タンジュンサリのスタッフの接客をひと言で言うと「ちょうどいい」。
そもそも初めてタンジュンサリは予約なし飛び込みでの宿泊だった。
若さゆえの無謀さでショルダーバッグ1つでやってきた英語もろくに話せない私に、初老のホテルマンが対応してくれた。
空いてる部屋を聞き取りやすいゆっくりな英語で案内してくれ、宿泊中も控えめな笑顔で声をかけてくれた彼は今はもういないけれど、ホスピタリティの魂のようなものは代々引き継がれている。
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ジンジャーハニーマティーニ
おわり
もう気づけば10回以上バリに行って、そのほとんどがひとり旅だった。
バリの夜の闇は深くて、心細くなることも多い。
タンジュンサリに1人で泊まった夜、ビーチに行くと、昼間はあんなに青くきれいだった海が真っ暗で、闇が果てしなく広がっている様に心がギュッとなった。
けれど振り返るとタンジュンサリが闇の中でキラキラと輝いていて「天国ってこんな感じなのかも」と思った。
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生きてるうちにこんな天国のような場所に出会えてよかった。
日々、いろいろな悩みやストレスは尽きないけれど、「またいつかタンジュンサリに行く!」と思うと力が沸いてくるのだ。
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